俳優・佐藤健が3日、T・ジョイ京都で主演している映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(監督:大友啓史/配給:ワーナー・ブラザース映画)剣心、始まりの地へ~おかえり剣心京都凱旋舞台あいさつ~を大友監督とともに開いた。
漫画家・和月伸宏氏の漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』シリーズが原作。動乱の幕末。緋村剣心が、倒幕派・長州藩のリーダー桂小五郎のもと暗殺者として暗躍し、血も涙もない最強の人斬り・緋村抜刀斎と恐れられていた時代が舞台。これまでのシリーズの“流浪人”である剣心の優しいイメージとは違った、剣心の原点を描いた作品だ。本作では初となる関西でのイベントとなる。
上映後、イベントには、佐藤健が夏らしく浴衣姿で登壇し、熱い拍手で迎えられることに。
まずは剣心の始まりの地である京都での凱旋舞台あいさつということで、久しぶりに会った京都の方とライブビューイングでつながっている全国のファンに向け、佐藤は「ずっと全国を回って舞台あいさつをしたいとは思っていたのですが、なかなか叶わずでした。そんな中、京都は『るろうに剣心』始まりの場所で、僕たちの第二のふるさとと言っても過言ではないくらいお世話になった場所で、なんとしてでも舞台あいさつをしたいという想いもあったので、本日来ることができてとても幸せに思っています。短い時間ではございますが楽しく過ごせたら良いと思っております。本日はよろしくお願いいたします」と、笑みを浮かべる。
浴衣姿へコメントを求められると「しっくりきますね。昔は和服を着ると怖気づくような感覚があったのですが、『るろうに剣心』を通じて逆に落ち着く感じがするようになりました」と、変化があったとも。すると大友監督が「和服が素晴らしいので、次はこれで撮りたいね」と佐藤の姿を見てコメントを寄せた。
本シリーズは、関西エリアでのロケも数多く、シリーズ全5作を通じて、関西では全34ヶ所、総撮影日数は半年の撮影であったことが紹介。佐藤は「滋賀県などの撮影の時も、京都を拠点に撮影をしていました。パート1の時は家に帰らず京都のホテルにずっと泊まって、そこからいろいろなところに行き撮影をしていました。今回もそういう時期もありましたね」と、シリーズのハードな撮影を振り返ると、大友監督も「全国を巡業するサーカス団ですよ」と、表現して笑いを誘う。
1作目から今作までを振り返りながら、佐藤は「当時は、青木崇高さんや蒼井優さん、香川照之さんと京都の街をぶらついてご飯を食べたりしていましたが、何不自由なかったですね。でも2作目3作目、そして最終章の時はほとんどご飯に行ったりはしていないですね。パート1のとき毎日のようにご飯に行っていたのかが不思議です」と、シリーズを追うごとに進化し続けてきた撮影のハードさを感じさせる裏話も明かされた。
この日は、佐藤たっての希望で事前にTwitterにてファンのみなさんからの質問を募集。舞台上で佐藤と監督がさまざまな質問に答えていくものとなった。
――健さん、10年前の自分の撮影初日の映像を「そのまま」使う、というプランを聴いた時の気持ちを教えてください。
佐藤:非常に自然なことだと思いました。そりゃそうだろうなと。やっぱり『The Beginning』は新時代を切り開くために戦う真っ直ぐな剣心の生き様を描いているんだとしたら、新時代が来た瞬間がクライマックスに来るべきだろうと。ここまで綺麗にパート1の冒頭にちゃんとつながるんだと驚きました。編集の仕方含め大友監督はさすがだなと思いましたね。
大友監督:あのシーンはパート1の撮影の初日ですからね。10年かけて撮るシリーズの冒頭をあのシーンで撮れて、最後の作品をあのシーンで終わるっていうのは奇跡だよね。今回の作品のタイトルも『The Beginning』ですし、一作目の主題歌も『The Beginning』。本当に綺麗につながっているよなと。奇跡の男だよ。
――七夕と言えば・・・健さんにとっての“織姫”はいますか?
佐藤:1年に1度とはないけど、本当は会いたいけどなかなか会えない、たまに会える存在はやっぱり、剣心かな。
――剣心が最初に巴の日記を読む時、開いてる日付けが『三月廿一日(3月21日』で、健さんのお誕生日だったんですが、あれは偶然ですか?それとも隠しサプライズですか?
佐藤:全く気づきませんでした。お客さんはそういうところも見てるんですね。
大友監督:どこのページをめくるかはお任せだから、上手いこと開いたんだと思いますよ。
――マイベスト剣心(演技)を選ぶならどのシーンですか?
佐藤と大友監督が共に選んだシーンは剣心が『The Beginning』の終盤、「行ってくるよ、巴」と言い残し、共に暮らした家を去るシーン。このシーンには大友監督も大きく頷き、共感。佐藤は「このシーンの撮影はすごい覚えてます。感情を表に表して涙を流すなど、いろんな演技プランがある中で、あのシーンは全く気負いがなかったんですよね。今まで演じてきた剣心という役に対するに信頼と自信があったので、絶対に大丈夫だと思っていました。こういう芝居をしたいとう欲のようなものを一切排除できていたのを覚えていて、その時思ったように演じました」
――The Beginningで巴と共に暮らしてる中で畑で採れたお野菜等を料理して食べていらっしゃいますが、どんなお料理を作って食べてらしたのですか?大根やキノコ等採れていたようなのでお漬物とか煮物とか……とても気になってます。
佐藤:お味噌汁と白いご飯とお漬物のような質素な和食だった。僕と有村さんは当時食事制限をしていて、撮影の時だけ白いご飯を食べれるという、リアルに幸せなシーンでした。
続いて、檀上の短冊について、この日のためにInstagramで募集したファンのみなさんからの願いが書かれているとMCから説明があると、その一部の願い事を佐藤と監督がそれぞれ紹介。“内定といただけますように”や“真剣佑の上腕二頭筋になれますように”“娘の成績があがりますように”“期末テストがなくなりますように”など、ファンの個人的な願いから、“るろ剣5作品IMAXイッキ見したい”や“るろ剣を定期的に映画館で見れますように”など「るろうに剣心」シリーズに対する想いのこもった願い事も読み上げ、ファンの想いの詰まった短冊に感慨深げだった。
また、佐藤と大友監督、2人の願い事も披露。佐藤は「剣心の十字傷が癒えますように」と願うと、会場からは熱い拍手が。大友監督は「眼に映る人々の幸せ!」と劇中の剣心のセリフを引用。そして二人は「剣心に幸せになってほしい!」と締めた。
最後に、大友監督は「10 年間応援していただきありがとうございます。一作目の当時は震災があったり、今回もいろんなことがあった中で、作品を映画館で上映できることがすごい幸せだってことを感じましたし、きょうもまたここにたどり着く前に(大雨の影響で)大変でこんなシナリオあるかよとは思いましたが(笑)。みなさんに支持していただいて最後まで作れたということにものすごい幸せを感じております。末永く、1日でも長く、1回でも多く映画館で上映していただいて多くの方に、作品の心が、剣心の生き方というのが、届けばいいかなと思っております。今日はありがとうございました」と、熱いコメント。
そして佐藤から「本当にあっという間ですね。我々にとって、とても大切な京都に来れたことを非常にうれしく思っております。さっき僕たちが『剣心に幸せになってほしい』という話をしましたけど、剣心自身もそしてわれわれもみなさまの幸せを非常に願っております。こういった辛い状況ではありますが、希望を見出して、前向きに、幸せに皆さん過ごしていってほしいなと願っております。またいつかどこかでお会いできることを願っております。本日はありがとうございました」とそれぞれあいさつし、大盛況のうちに幕を閉じた。
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※記事内写真は(c)和月伸宏/集英社 (c)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会