俳優・柳楽優弥(31)、有村架純(28)、國村隼(65)が7日、東京・TOHOシネマズ日比谷で『映画 太陽の子』(監督:黒崎博/配給:イオンエンターテイメント)完成披露試写会舞台あいさつを黒崎監督(52)とともに開いた。
太平洋戦争末期に存在した「F研究」と呼ばれる日本の原爆開発の事実が入っており、軍の密命を受けて研究した京都帝国大学・物理学研究室の若き科学者・石村修(柳楽)らの青春を通して描いている。修の幼馴染・世津役を有村、修の弟・裕之役を三浦春馬さんが演じている。
有村は「2年の間にもいろんなことが起きて、環境も変わってきましたが、あらためてこの作品を観て頂いて、ご自身の考え方を見直すきっかけになれば」と、呼びかけるように話せば、黒崎監督は「出演者のみなさんが、この映画がどうしても形になる、ならないというせめぎあいをしていたときに、“絶対に実現させようよ”と背中を押してくれたみんなです。大切な仲間であり、このメンバーでみなさんの前でごあいさつできることが本当にありがたく思っています」と、噛みしめるように話す。
柳楽は、本作のオファーへ「脚本を読んで素晴らしいと思って、でも実際に研究を重ねていたという事実を知らなかったですし、日米の合作映画になると聞いて、日本のお客さんにどう観られるんだろう、アメリカのお客さんにどう観られるんだろうって。簡単にやりたいですというより、覚悟をして参加させてもらいました」と、出演までの心情を語りつつ、撮影に入ってからは「本当に貴重な時間になりましたし、勉強にもなりました。僕自身知らないことがたくさんあったんです。僕とか架純ちゃんとか春馬くん、30歳前後の俳優がしっかりしたテーマの作品に参加して、僕たち年齢にかかわらず伝えていくということはとても意味があることだったのかなと。最高の時間でした」と、心に刻まれるようになったよう。
有村も「脚本を読んだときに、その事実があったことを知らなくて衝撃を受けて。この話を世に送り出したときにどうなるんだろうと。責任や覚悟が必要になってくるなと思ったんです。でも、黒崎さんが10数年練られたということで、私は『ひよっこ』で、黒崎さんと1年以上過ごさせて頂いて、信頼している監督だったのでお話を受けました」と、語った。
さらに、印象的だったシーンのことへ。柳楽は「海のシーンですかね。(修、世津、裕之)の3人のシーン。とても難しいシーンで、物理的に1発でOKじゃないとダメというシーンで、裕之を助けにいくシーンなんです。映画の撮影現場なんですけど、緊張感は舞台の初日前というような感じでした。実際に見て、すごくいいシーンになっていて、達成感が印象に残っていて」と、感慨深げ。そこから、柳楽は「春馬くんとは割と、10代前半からオーディションをしたりするような仲でした。戦友というか、ライバルというか今回のような兄弟のような関係で、かかわらせて頂きました。春馬くんがこの作品に愛を持って参加してくれたように、この参加したメンバーで、春馬くんをこれからもずっと愛して大切にしていきたいと思う……すごく大切なシーンです」と、春馬さんへの思いを語る。
有村も「柳楽さんも春馬さんも一緒に撮影したことがあったので、現場もすごく穏やかでした。撮影中は笑顔も多かったかなと思います。その中で、関係性を作り上げていって、(修、世津、裕之の)3人で縁側で未来について話し合うシーンがあって。そこは裕之さんが戦地に戻る前夜ということで、もしかしたら3人で会える最後かもしれないというシーンで、未来に対する望みというのが出ているシーンかなと思って。台本にはなかったんですけど、戦地に送り出す裕之に対して、未来を作る修の2人の手を握らっせてもらったんです。なんか言葉じゃない、ぬくもりや温度というのがそのシーンで伝わればいいなと黒崎さんに提案して作れたシーンでした。3人の空気感は、穏やかなシーンになったと思います」と、とうとうと語った。
この日は七夕にちなんで短冊型のフリップでお願い事を披露することに。有村は『安心・安全な世界が訪れますように』とし、柳楽は『映画の力でみんなに元気を』としたため、気持ちを伝えていた。
『映画 太陽の子』は8月6日より公開予定!