俳優・上白石萌歌、山本舞香、宮沢氷魚が13日、都内で連続ドラマW 宮部みゆき『ソロモンの偽証』完成報告会に登場した。
作家・宮部みゆきが、構想に15年、執筆に9年もの歳月を経て完成させた超大作。原作は1990年代の公立中学校を舞台としているが、テレビドラマ版ではSNSが普及する現代の私立高校に置き換え、全8話という長編で宮部ワールドの世界観を描き出す。前代未聞の“学校内裁判”を主導する高校生・藤野涼子役を上白石、他校の生徒でありながら、亡くなった柏来卓也の友人として裁判に積極的に参加する謎の高校生・神原和彦役を宮沢、ひどいニキビや学校でのいじめに思い悩む三宅樹理役を山本が演じる。
黒のドレス姿で登場した上白石は、WOWOWとの関係として、東野圭吾氏原作のドラマ『分身』に2012年に出演して以降だったそうで、「小学生のときにお芝居をさせていただいたのがWOWOWさんで、またWOWOWさんの作品に戻ってこられて、原点に帰ってこれたような気がして、懐かしさと背筋が伸びるような気持ちです」と、感慨深げ。
主演の話を聞いた時に「台本を開いた時に、自分の名前があって不思議な気持ちでした。そんななか素晴らしい、キャスト、スタッフの方が集結すると聞いた時に、『大丈夫だ!』『この作品はいいものになる』ということを感じました」と、スタッフ・キャストに安心したそうだ。
一方、山本はひどいニキビに思い悩むという役どころ。そこで役作りの際に、「ニキビを本当に悩んでいる方もいらっしゃるので、そのつらさを感じてみたいなと思ったんです。そこで、衣装合わせの時に、特殊メイクを作って、“もっとひどくしたい”という言い方が合ってるかわからないですけど、そうお話していました。樹理という役を気持ち悪く表現したいという話はしました」と、詰めていったという。そんな山本は話に熱が入るあまり「ネタバレしそうになっちゃった!」と、言いかけて苦笑いし、上白石、宮沢と笑い合っていた。
上白石は撮影で「この作品は重苦しいシーンがあったりするんです。撮影中は悪夢を見ることが多かったんです」と告白していたが、現場自体は「明るくて盛り上げ役が何人もいたんです。和気あいあいな感じで途中から本当の学校みたいな感じで。お天気の良い日にみんなで外に椅子を出してみんなでご飯を食べたのはいい思い出です」と、作品の雰囲気とは正反対の感じだったという。宮沢も「萌歌ちゃんと、坂東龍太くんがカメラにハマっていて、本当に高校生たちが、戯れているような優しい時間が流れていて」と、いい時間になったようだ。
逆に、山本は2週間ロケ先で宿泊していたほかのキャストとは違い、その都度帰っていたそうで、「みんなは絆が深まっているんですけど私は役柄的にもあまり話すタイプではなかったんです。そこでお菓子をとりあえず配るということをして」と、共演者たちへ“餌付け”で対応したそうだ。
ほかにも、上白石が生足で雪上に立つという撮影もあったらしく、山本らが気をつかて休憩中にレッグウォーマーを差し入れたというエピソードや、上白石は実際に法廷に足を運び裁判を傍聴し、「緊迫感があったし、こういう空気を撮影にも持っていきたいなと思いました」と、裏話も披露していた。
そして上白石から「何が正しいんだろうということでこの作品が届けられるメッセージは多いと思います。ドラマで1人1人にフォーカスを当てていまうっし、キャスト・スタッフ一丸となって作ったのでどうか早く届いてほしいなと思います」と、メッセージを寄せていた。
WOWOW開局30周年記念 連続ドラマW 宮部みゆき『ソロモンの偽証』は10月3日より放送・配信スタートで全8話。なお、第1話無料放送となる。