俳優・佐藤健（32）が1日、東京・新宿ピカデリーで主演映画『護られなかった者たちへ』（監督：瀬々敬久／配給：松竹）初日舞台あいさつを阿部寛（57）、清原果耶（19）、瀬々監督とともに開催した。
『このミステリーがすごい！』受賞作家・中山七里氏の傑作小説を映画化。東日本大震災から10年目の仙台で起きた不可解な連続殺人事件を軸に、その裏に隠された切なくも衝撃の真実を描く、感動のヒューマン・ミステリー。過去に起こした放火事件で服役し、出所したばかりだが今度は連続殺人事件の容疑者として追われてしまう主人公・利根泰久役に佐藤、彼を追う刑事・笘篠（とましの）役を阿部、笘篠の部下・蓮田智彦役を林、清原は仙台市若葉区保健福祉センターの職員・円山幹子役を演じた。
この日は台風の影響で夕方まで土砂降りの雨で、本舞台あいさつの際にはあがっていたという状況だっただけに、佐藤は登壇するなり「みなさまご無事でしょうか？」「寒くないですか？」と、まずは観客たちの心配をし、「すいません……というのは僕のことではない自然の現象なのでコントロールできなくて（苦笑）。みなさまの初日に、こういった状況のなか、来てくださるお気持ちが嬉しいです。たくさんの方の支えがあって、本日、初日を迎えることができました。短い時間ですがよろしくおねがいします」と、丁寧に言葉を重ねる。
司会からは、完成披露試写会も、劇中の重要シーンでも、本イベント前にも雨が降っていたと“雨男”という単語は使わずに事実を挙げたが、佐藤はとぼけた口調で、「あれのおかげで阿部さんから追われるシーンはいいものが撮れましたよね（笑）。雨で中止かなと思ったので」と、軽く流しつつ、その直後に下を向いて苦笑いを浮かべる一幕もあった。
直後に下を向いて苦笑いな佐藤
話題が撮影などの方向へ。本作で、11年ぶりの共演という佐藤と阿部。佐藤は「大変光栄ですね。少しでも成長した姿を阿部さんにお見せしたいと思って気合が入って」と、なみなみならぬ力が入っていたようだが、阿部は「もう十分成長していて、現場に入って役でずっといられるんですよね。背筋が伸びる思いをしましたし、こうして映画を立派になられたなという感じで。この11年、すばらしい俳優さんになられたなと思います」と、目を細めつつ太鼓判で、佐藤も「ありがとうございます！」と、笑みが浮かぶ。
もし、別の作品でこのメンバーで共演するならという話題も振られた。「阿部さんはいちファンとして、コメディーをされているのが好きなので、そういったものでご一緒できたら嬉しいです！」と声を弾ませる佐藤に、阿部も「僕も嬉しいですね。今回の役とまったく違う佐藤さんを見てみたいです」とウエルカムといった様子。そこに清原が「阿部さんと佐藤さんと家族の話をしてみたい。事件とかはなく、阿部さんはコミカルなお父さんがいいです」と思い描き、佐藤はそのなかでお兄さん役という設定になるといい佐藤は「こんな妹がいたら『彼氏を連れてこい！』と言って、（阿部と2人胸元で腕を組んで仁王立ちして）2人でネチネチやるんですかね」と、阿部と楽しそうに笑顔を交わすことも。
腕を組み“お父さん”と家族会議をする佐藤
さらに、阿部は「僕が犯人で、お2人から追求されることもしてみたい。（本作で）佐藤くん追っかけるのがなんか楽しかったんです。シンプルだけどそういうときにいろんな感情が沸いてくるんです。逃げる側はどんなんなんだろうって」と、興味を見せる。これに佐藤は、「阿部さんは速いですし体力がすごいんです。阿部さんが一番元気でした」と前置きしつつも、「僕は走る芝居は嫌いなんです！（映像内で）本当に使われているの10秒ですけどマジで何回もやるかならね！大変なんですよ！これから役者さんが走っているのを見たら大変なんだろうなと思ってください！あれのときのもう1回と言われるのが本当につらいんです」と、声を大にして苦労を訴えていた。
作品タイトルにかけ、食事、睡眠、趣味の時間のうちで、どれを守りたいかという問いかけが。佐藤は「睡眠かな」と切り出すと、「寝ないで働くとか良くないよ！人はたくさん寝て、健康でいることが大事だと思います」と、呼びかける。では、多忙そうな佐藤自身はそれを守れているのかというと、「めちゃめちゃ忙しいときと、めちゃめちゃ暇なときがあるんです。忙しいときでも、アドレナリンが出ているので乗り越えられるんですけど、そういうのが続くと良くないですね」と、自身のことを明かす。
ちなみに睡眠時間へ佐藤は、「あればあるほどずっと寝てられます」とも語ったり、阿部が趣味を挙げ、釣りを趣味にしようとして船酔いでやめたという話をしている際に、佐藤は「家でボードゲームとかやってます。暗いんです」と、ちらりとプライベートを明かすこともあった。
また、以前のイベントで、佐藤が阿部のLINEが気になると聞いていたが、それには理由があったそうで、「林遣都くんは交換していたというのを聞いて衝撃を受けたんです。なので、阿部さんがどういうスタンプとか使うのかなと思って」と言いつつ、同イベント後にLINEのアドレスを交換したという。そのやりとりの文面で「最後に“ぴえん”の顔があって、久々に“ぴえん”を見ました！」と、驚いたのだとか。すると阿部はノリノリで、「なんだったらもっと使おうか？」と、返したり、「なにかあれば佐藤さんと交流をできればと思います」と、今後もご縁を大切にしていくようだった。
ほかにも、コロナが落ち着いたら、佐藤としては、「いまやってる作品の共演者とご飯言ったりできないので、それが本当にしんどいです。（本作のロケ地）宮城でも行けなかったので、まずはこの作品のご飯に行きたいというが1番ですね」としみじみ語ると、阿部は「それが1番ですね」とうなずいていた。
そして佐藤から、「一時期、撮影ができなんいじゃということを覚悟していたので、無事撮り切れて、本日みなさんにお届けできるので感慨深く思っております」と、話すとともに、「日々、つらいこと、悲しいこと、悔しいこと、理不尽なことに怒りを覚えることあると思います。この作品は、社会が、世の中が少しでも良くなるようにという祈りが込められています。みなさんの明日がきょうよりよくなることを祈っております。帰り道お気をつけください」と、気持ちをこめていた。
映画『護られなかった者たちへ』は公開中！
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