矢部浩之「HOWEVER」かすれ声にヒデちゃんもトシちゃんも岡村もずっこけのラストソング！アーティストデビュー曲「スタンドバイミー」は心込めた歌唱で青サイリウム揺れる【レポ後編】

　【前編（ナイナイ歌謡祭開催で革ジャンのスタイリッシュな矢部浩之＆岡村隆史が「POISON」歌い継ぐオープニング！May J.厳し目“ボイストレーナーの先生”や知念里奈からはお祝いも）より】

　知念里奈の次の6番手には中山秀征がボーダーシャツに白の爽やか衣装で登場。かつて番組“ん？”コーナーでもおなじみだった楽曲『明日にONE WAY』を、生バンドをバックに白一色のサイリウムに包まれるなかバックステップを踏んだりなどでパフォーマンス。歌い終えて満面の笑みを見せる中山へ矢部は「すごいですね、ヒデちゃん！」と大興奮。その熱に便乗し、岡村もしれっと「ヒデちゃん」と呼んだが、これに中山は「ん？」と、引っかかる。

　中山といえば今年6月の放送でゲストとして登場した際に、芸能界の先輩である中山を愛称である“ヒデちゃん”と呼んでいいものなのかどうかと、喧々諤々の議論を繰り広げた。結果、中山から矢部は“ヒデちゃん”呼びを許され、岡村は許されないという決着に。しかし岡村は、番組の要所要所で“ヒデさん”から“ヒデちゃん”呼びの復活を熱望する発言を繰り返していたという経緯がある。

　岡村はこれまで自身としては“ヒデちゃん”呼びを封印し、ヒデさんや中山さんと言い続けてきたとアピールしまくったが、中山は「中山さんでしっくりきているならそれでいいんじゃない？」と、釣れない態度。ここで知念も再び登場し、知念もかつて『THE夜もヒッパレ』で共演していた関係もあって“ヒデちゃん”呼びを知念が許される姿が。その後も岡村は“ヒデちゃん”呼びのために食い下がったが結局、「言ってやろう言ってやろうみたいなのを感じるから」という理由で呼ばせてはもらえず。そんな岡村に1度だけ“ヒデちゃん”呼びのチャンスもあったがこれも逃してしまい、岡村は「当分はヒデさんで行くわ」と、肩を落としていた。

　続けては、ヘリコプター音が鳴り響くなか楽曲『Beautiful Smile』に合わせて番組スポンサーの高須クリニックの高須克弥院長が座りながら登場。高須氏から岡村へ「結婚おめでとう！」と祝福。そこから豪華プレゼントのある『矢部浩之のチューバッカクイズ』を展開。同クイズは『STAR WARS』のチューバッカ風にしゃべる矢部が何を言っているのかを当てるもので、『犬が胸焼けしたら、草食べるって知ってますか？』と過去の放送で言ったことのあるものだった。

　そこから岡村だけ準備があると舞台袖にはけてしまう。つなぎとして、矢部が“少林寺拳法○連発”のコーナーを行い、どこか可愛さのある“ヤー”の掛け声にファンたちも笑顔で和む中、急きょ携帯電話の音が鳴り響く。その電話の相手はお笑いコンビ『メッセンジャー』の黒田有で「おう、矢部か……」との声が。

　黒田と『ナインティナインのオールナイトニッポン』といえば、かなり昔に黒田が矢部に対して「おう、矢部か……」から始まるぞんざいな口ぶりで電話をかけたのではないかという“疑惑”があり、後に同番組で釈明。そのときに、「兄さん、違いますやん」とも言い出し、その一連の流れがコーナーにもなるなど、番組の盛り上げに一役買った。さらに、黒田というと、先週28日深夜の放送ではゲストに呼ばれ台本も読み込んでいたはずが、放送の最後まで姿を見せず、“すっぽかし疑惑”が持たれている。

　黒田の声に対して矢部は「お前先輩のラジオ飛ばしたな。電話（出演）というので気を抜いたやろ！」と追求したところで、黒田が舞台袖から飛び出してきて「兄さんちゃうんですわ！みなさんほんとすんません！」と、土下座。しかし、矢部は、「お前、この前のナイナイのオールナイトは飛ばしたけど、横浜リーナはしっかり来るところが腹立つ！仕事選んでる」と、ご立腹。そこで黒田は最近話題のドラマ『イカゲーム』を見ていて寝落ちしてしまったと釈明したものの「言い訳としては弱い」と、手を緩めなかった。

　中盤にはハーレーダビッドソン（岡村的言い回しとしては「ハーレーデイビッドソン」）に乗りたいと以前から言っていた岡村が、スタッフが引く台車の上に同バイクを置き、それにまたがって現れ“イージュー★ライダー”を披露し曲終わりで脚が届かず転ぶ可能性があるため「諦めたいと思います」と思いを断念する一幕。2曲めは、矢部が“ヘロー”とコールした昔の番組音源からはじまった福山雅治の楽曲『HELLO』の歌唱。そこから上着を脱ぎ去り背中に『五十一才』と書かれた白いTシャツ姿となってアーティストAdoの『うっせぇわ』を番組のネタをふんだんに盛り込んだ替え歌『ちっせぇわ』をAdoのMV風な文字演出とともに歌い切り目を引いた。

　そして後半には、いよいよ今月29日にアーティストデビューした矢部がデビュー曲『スタンドバイミー』の歌唱へ。矢部は同曲MVと同じ姿で現れると「ここだけはおふざけなしで聴いてください」と、心を込めて熱唱。観客たちも青色にしたサイリウムを音に合わせてゆっくりと振るエモーショナルなステージとなった。

　しっかりと歌いきった矢部は、「震える」と、プレッシャーに押しつぶされそうになっていたという感想を伝えつつ、「リスナーやというのが、味方やし安心しました。一斉に青のライトが揺れていましたので、一生懸命に丁寧に歌おうと思いました」と、ファンに感謝。矢部にとってこの歌唱は心残りもあったといい、「Bメロで声が裏返らないように歌っているのは、後悔はあります」と告白すると、岡村は矢部の衣装の「タートル（ネック）が首を締めているのでは？」と指摘して、笑わせた。

　そこから楽曲を作ったシンガー・ソングライターの石崎ひゅーいもゲストとして来場。袖から見ていたという石崎は「泣いてました」と感涙していたといい「矢部さんみたいに人間味のある曲を歌える人はいない」と、たたえていた。この披露コーナーの最後には楽曲『スタンドバイミー』がCD化され12月22日に発売されることも発表。石崎は「Mステ期待してます！」といえば、岡村が『ミュージックステーション』司会のタモリを真似た口調で話をしたりと、夢膨らむ光景も見られた。

　12組目のアーティストとしては、番組エンディング曲を担当するバンド『ネクライトーキー』が登場。楽曲『明日にだって』を生演奏し、メンバーからの感想で「（横浜アリーナの）景色の一部になれたのが本当に嬉しかったです」「こんなにライブが綺麗に見えると思ってなかったのと、受け入れてもらえてると思ってホッとしました」と、会場に集った観客の温かさに感謝。岡村も矢部も「大事にかけさせていただきます」と、今後の番組への抱負も語っていた。

　ここまでを終えアンコールタイムに突入。VTRで2019年の『南海キャンディーズ』山里亮太と『オードリー』若林正恭の結婚に肩を落とす岡村の姿、さらに岡村が結婚した暁にはファンに神輿を担いでほしいと公言していた映像を上映。そして“最高のイエスマン”こと鍛冶マネージャーをはじめとしたスタッフが担ぐ神輿に乗って紋付袴姿の岡村が登場。巨大なうちわを持って先導を務めるのは、背中に「99」と白地で入った青色ハッピを着た矢部。ここで徳光和夫が再登場し実況するなか場内を1周めぐった。

　神輿が無事ステージ中央につくと、岡村は懐から紙を取り出しスピーチへ。楽曲『Amazing Grace』がBGMでかかるなか、『白い巨塔』のネタ風な手紙となり、「リスナーへ。この手紙を持って僕の『新婚さん』としての最後の言葉とする」から始まり、岡村の奥さんの呼び方や、『ナインティナイン』の飛躍は矢部のアーティスト活動にかかっておりグラミー賞を目指してほしいこと。さらに飛躍して、グラミー賞のスピーチは岡村が日本アカデミー賞に登壇した際のスピーチを参考にしてほしいと言いつつ自身としてはそのときのスピーチを「心より恥じる」との悔恨で締めくくるものに。その最後には徳光が「ナイナイの限りない発展にズームイン！」と勢いよくコーナーを終えた。

　そして本イベント最終アーティストとして“トシちゃん”こと田原俊彦がステージ2階部分に空を飛ぶように飛び出してくる。『ナインティナイン』と軽妙なトークを繰り広げた後には、田原の代表曲の1つ『抱きしめてTONIGHT』を軽やかなステップなどを交えて熱唱し、華を添えた。

　3時間30分を超えたイベントもついにフィナーレへ。岡村が「最後の最後の曲になります」と、コールしたのはロックバンド『GLAY』の楽曲『HOWEVER』。これを矢部が1番を担当して歌い、2番からは岡村はじめ、ゲストたちが歌い継ぐというまさにこの場でしか見られない光景が広がる。そのさなか再び声を枯らして熱唱する矢部に、ヒデちゃん、トシちゃん、岡村が盛大にずっこける一幕もあった。

　すべてのプログラムを終え、矢部は「すごいことしたなって、家に帰ってから実感すると思います。桑田ヤベスケ以外でもデビュー曲を歌ったり、精神的にいろいろ忙しかったです」と感想を伝えれば、岡村は、「リスナーのみなさんもありがとうございました。そしてね、帰るまでが歌謡祭です。オフ会禁止になっております。終わったら蜘蛛の子散らすように帰ってもらいたいと思います。オフ会でイチャイチャする人が出てきますから」と、これまでの歌謡祭で伝え続けていたルールをこんこんと伝えるなか、2人は晴れやかな顔を浮かべるとともに、その場を後にしていた。