ジャニーズJr.でアイドルグループ『HiHi Jets』の作間龍斗(19)、俳優・芋生悠(23)、が23日、東京・池袋 HUMAX シネマズ映画『ひらいて』(監督・脚本:首藤凜/配給:ショウゲート)大ヒット御礼舞台あいさつ第2弾を首藤監督とともに開いた。
芥川賞作家・綿矢りさ氏の青春の愛憎を描いた同名作を実写映画化。成績優秀、明るくて校内では人気者の高校3年生の木村愛(山田杏奈)。そんな彼女はクラスに馴染めない少年・西村たとえ(作間)に高校1年生のころから恋をしていた。しかしたとえには、学校内でも目立たない愛の同級生・美雪(芋生)という秘密の恋人がいることを偶然知ってしまう。そこで愛は自らの気持ちを隠して美雪に近づいていくのだが……。
満席となった劇場に3人が登場。公開から早くも1ヶ月を迎え、周りからの反響について作間は「地元の友達や親戚など、たくさんありましたね!ムズムズしたと。普段の作間を知っている方からは、あの感じは想像できないと(笑)。でも映画自体は面白くて、考えさせられたと仰っていただきました。今のところ悪い評価はありがたいことになくて、いい経験をさせていただいたので、そうやって言っていただくのは嬉しい」と、笑み。
一方、芋生は「私は(映画『呪怨』などの)清水崇監督からLINEがきて『泣いちゃった』と。愛ちゃんと美雪の2人の関係が好きだったそうです」とビックリなエピソードを告白。それを聞いて首藤監督は「同性の方を意識して脚本を書いていたんですけど、結構いわゆる“おじさん”の方たちが『昔はたとえ君だった』とか、いろんな感想をいただきます」と、周囲の反響を話した。
話が撮影時のことへ。芋生が作間について「作間さん、現場ではこんなに明るくないですよね(笑)」と現場の様子を明かすと、作間も「“たとえ”に引っ張られていた感じがあるんですかね。でも100均に行ってマジックキットを買って来てチェーンにリング通せるかとか、みんなに見せたりしてたんですけど(笑)」と、当時のエピソードを披露。
イベント後半は観客からの質問に答えるティーチインを展開。東京の大学受験に向かう“たとえ”に美雪がバス停でホッカイロを渡す2人のシーンについて。その時の美雪が出したカイロの多さにビックリしたという作間の当時のエピソードの質問が飛ぶと、作間は「あの時の僕は、ほぼ素です(笑)。あの量がバッグから出てくると思わないじゃないですか。10袋くらい詰まっているのが2つくらい出てきて、面白くて笑いましたね(笑)」と振り返ると、芋生も「笑っちゃわないようにしていた」といい、首藤監督も「美雪の天然のところが出ているシーンですね(笑)」と数少ない2人のシーンの裏側を語る。
続けて、演じるにあたって気をつけたところや緊張したシーンについての質問に、作間は「“たとえ”は、この落ち着きのない感じ、目線の移動、へらっとしているところをなくすようにはしましたね」と、落ち着きのない仕草をステージ上で見せ、「動いてないと本当に死んじゃうんですよ。逆に“たとえ”はビクともしないんで(笑)」と、素の自分との違いを。芋生はといえば、「たとえ君と愛ちゃんとの関係性はずっと意識していた」と話す。
緊張したシーンについては、“たとえ”“愛”“美雪”の3人が“たとえ”の実家に乗り込み“たとえ”の父親(萩原聖人)に東京行きを直訴するシーンだったといい、これには作間も同意し、「かまぼこを切るのに、なんであんな切れ味の悪い包丁を使っているのか(笑)。萩原さんがすごく怖かったので…」と振り返り、また萩原の胸ぐらを掴むシーンがあるが作間自身、初の“胸ぐら掴みシーン”だったと語り「初めてで、指がめちゃめちゃ痛かったんですよ!胸ぐら掴むと、こんなに痛くなるんだって(笑)」と、実感を語った。
“たとえ”が愛の顔を両手でつかむシーンについて「あのシーンだけは“たとえ”から愛ちゃんに歩み寄っていて、“たとえ”の心境の変化があったのか?」とお客さんから質問が飛ぶと、作間も「あそこで初めて愛の顔をちゃんと認識したんです。こういう顔してたんだって。“たとえ”が心を開いたというか、そういたものがそこに詰まっているのではと思います。心から目が合うというシーンで、すごくきれいなシーンですよね。鶴が舞っていて……」と語ると、首藤監督も「たとえ君と愛ちゃんの歩み寄りというのは脚本段階でずっと悩んでいたので、たとえ君として顔を認識してくれたのは嬉しいですね。鶴を舞わせるのはすごく大変でしたが、撮れてよかったです」と、苦労もあったようだ。
さらに、まだ経済力もない“たとえ”と美雪だが、東京に出てから2人はどうなると思いますか…?という質問が出ると、芋生は「美雪はこんなにやっておいて、実はずっと“たとえ”と一緒にいる気がしないんですよね」と、思ったことを話す。作間も2人の経済力を鑑み「現実的なことに直面したらね。まぁ難しいですね……」と考え込むと芋生が「続編作りますか(笑)?」と提案し、それには首藤監督も「10年後とか結構考えますよね……」とそれぞれがその後の3人のイメージを膨らませた。
また劇中で“たとえ”が愛に「貧しい笑顔だね」と言うシーンについて、「首藤監督はもっと突き放す感じで言って欲しかったと仰っていましたが、今その感じで見せていただくことはできますか?」とお客さんから作間に無茶ぶりが飛ぶと、作間は「やばいのきたな…(笑)」とこぼしつつ「すごい楽しい『貧しい笑顔だな』になっちゃいますよ(笑)。あのイメージのまま、みなさんお帰りください」と語って会場を笑わせた。
ほかにも、山田と作間、芋生の3人で1回だけ現場でオフで話した時があったといい、その時について芋生は「たとえ君(作間)が『どんな顔で話していいか分からない』って言っていたのが印象的です」と話すと、これに対して作間自身、「それは作間ですね(笑)。愛と美雪が一緒になっているのも、恐かったです……」と当時の正直な心境を明かして笑いを誘った。
舞台あいさつの最後には、芋生が「上映が始まってからたくさんの方に観ていただいて、この作品がちゃんと届いているんだなと実感しています。キャストスタッフみんなで一緒に頑張って作った作品なので、今後もみなさんに勧めていただけたら」と呼びかけ、作間も「いま質問いただいて、僕自身も気づいたことがあったり、観る視点を変えるだけでいろいろ考えられる映画になっていると思います。もっとたくさんの方に観て頂けたらいいなと思っております」と語り、首藤監督も「こういう形で直接質問を聞いて、とても丁寧に感じとっていただけているんだと大変嬉しいです。1カットでも1シーンでもみなさんの記憶に残っていたら嬉しいです」と、笑顔で語った。
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※記事内画像は(c)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会