作家・辻村深月氏の小説『ハケンアニメ!』が2022年5月に実写映画として公開を予定していることが11月25日、発表。あわせて俳優・吉岡里帆、中村倫也、柄本佑、尾野真千子らがキャスティングされていることが明かされ、ティザービジュアルと特報も解禁となった。
最も成功したアニメの称号=「覇権(ハケン)」を取るため、日夜熾烈な闘いが繰り広げられているアニメ業界が舞台。監督デビュー作で、憧れのスター監督・王子千晴と覇権を争うこととなった主人公・斎藤瞳の奮闘を描く。
アニメが持つ力を信じ、目標に向かって努力するも、不器用がゆえ壁にぶち当たる日々の中で、それでも懸命に前に進む新人監督・斎藤瞳を吉岡。かつて伝説のアニメを世に打ち出し、天才として名を馳せるが、その後はヒット作を出せず、もう後がない崖っぷちの天才監督・王子千晴役を中村。仕事はできるが超クセのある性格で、瞳を振り回す敏腕プロデューサー・行城理役を柄本、かつて「伝説の制作進行」と呼ばれた、王子の才能に人生を懸ける名プロデューサー・有科香屋子役を尾野が演じる。
監督は新海誠監督の映画『君の名は。』にCGクリエイターとして参加し、中村主演の映画『水曜日が消えた』で長編映画デビューを果たした吉野耕平監督。また、配給は東映となるとともに老舗アニメ制作会社・東映アニメーションが監修を行い、Production I.Gをはじめ、日本を代表するアニメプロダクションが参加していることも特徴だ。
特報では、軽快な音楽のなか、劇中アニメ『サウンドバック 奏の石』と、『運命戦線リデルライト』の映像をバックに、吉岡演じる瞳が「アニメは魔法を超える力を与えることができる!」と真剣な表情で訴えかけるシーンから始まり、瞳、王子(中村)、行城(柄本)、香屋子(尾野)がアニメ制作に奮闘する姿と、慌ただしい制作現場の風景がテンポよく描かれる。そして、「2022年 覇権を手にする アニメは何か!?」のテロップが現れると、新人監督の瞳が天才監督の王子に「私、負けません。全部勝って、覇権を取ります!」と宣言。不敵な笑みを浮かべる王子、驚いた顔の行城、香屋子のアップが映し出される――。
一方、ティザービジュアルでは、【瞳×行城】チームは『サウンドバック 奏の石』、【王子×香屋子】チームは『運命戦線 リデルライト』と、それぞれが作っているアニメのメインキャラクターを背負い、真剣な表情で正面を見据える4人の姿と、「覇権を掴め。」「己を超えろ。」のキャッチコピーが、覇権を賭けた熱い闘いが、これから繰り広げられることを想像させるビジュアルに仕上がっている。
本作へ向け、キャスト・スタッフ陣からコメントが寄せられた。以下全文。
○吉岡里帆
公務員出身の新人アニメ監督、斉藤瞳を演じさせて頂きました。
1本のアニメが生まれるまでの軌跡と、アニメーター達の死闘を描く今作。
日本の宝とも言えるアニメーション作品ですが、その裏では想像の何倍も何十倍も地道な作業が繰り返されています。
アニメーター達の底知れない才能が日夜コンテとなり原画となり動画へと昇華されていく…
素晴らしいアニメを見た時、抑え切れない感動を覚えるのと同じようにそんなアニメ作品を作る人々の想いに触れた時きっと今までにない感動が届くと撮影をしながら毎日思っていました。
どうぞ『ハケンアニメ!』をよろしくお願い致します!
○中村倫也
王子千晴役、中村倫也です。
台本を読みながら何度も「ある、ある。」と、この職業独特の“クリエイター熱”に頷いてしまいました。覇道に足を踏み込みながらも、悩み多き、王子という人間を演じることができて幸せです。きっと多くの人が、魂を削りながら仕事への情熱を注ぐ彼らを見て、日々を生きるエネルギーを受け取っていただけると思います。監督・吉野耕平の世界を乞うご期待!!
○柄本佑
行城はクセが強めなのですが同時に人間臭くもあるヤツだと思い現場に臨みました。吉野監督は線が細く声が小さく、挙動不審なところがありますがその見た目からは想像できないほど頑固で芯の通った男らしさがありました。アニメ業界を生きる骨太な人間ドラマが時に軽妙に、時に深刻に描かれます!是非楽しみにしていて下さい!
○尾野真千子
希望、夢、憧れ、進むべき道、そんなキラキラした物語の中にいました。久しぶりに恋なんかしたりして。
妖精のような吉野監督とのやりとり楽しかったです!どんな風に繋がっていくのか楽しみです!
○吉野耕平(監督)
本作は、もともと自分が映画化したかった原作企画を、逆に監督オファーを頂くという幸運に恵まれた作品でした。ちょうど自分自身が長編第一作目を撮った直後の、新人監督としての記憶も生々しいこの時期に、同じ新人監督の物語を描けたことの幸運と、さらに、素晴らしいキャスト・スタッフと共にその作品に挑めたことの幸運を、今は噛み締めています。様々な映像ジャンルを横断した、この作品ならではの共演をぜひお楽しみいただければと思います。願わくばこの作品が、スクリーンの向こうの誰かの幸運な出会いにつながりますように。幼い頃からずっと憧れてきたアニメの世界と、この作品を通じて関わることができたのは、本当に一生の幸運でした。
○原作者・辻村深月氏
『ハケンアニメ!』は私の小説の中では最も映像化が難しいタイトルだと思っていました。理由は、作中に登場する二本のアニメ。「その期の覇権をとる」と言われるようなクオリティーのアニメを現実に映像内に再現してもらうのはまず無理だろうと諦めていました。 だけど──今回、素晴らしいスタッフとキャストの皆さんの力を借りて実現しました。私の描いた王子が、香屋子が、瞳が、行城がここにいる。彼らの作るアニメがここにある。劇場で彼らの軌跡を目撃できるのが、今から楽しみでなりません。
■特報公式YouTube
https://youtu.be/oKbiGKBjibQ
※記事内画像は(C)2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会