長谷川雅紀(50)、渡辺隆(43)によるお笑いコンビ『錦鯉』が19日、東京・テレビ朝日内で開催された漫才日本一を決める『M-1グランプリ2021』決勝戦で見事優勝を果たした。
今年は史上最多のエントリー数で昨年より1000組増の6017組が参加。そのなかから、お笑いコンビ『インディアンス』、『真空ジェシカ』、『モグライダー』、『ゆにばーす』、『ロングコートダディ』、『オズワルド』、『錦鯉』、『もも』、『ランジャタイ』、そして敗者復活から勝ち上がった『ハライチ』の10組が決勝に駒を進めることとなった。
ファイナルラウンドには7人の審査員から665点を集めた『オズワルド』を筆頭に、655点の『錦鯉』、同点の『インディアンス』の3組で争われることに。『インディアンス』は田渕がボケを高速で次々に繰り出せば、『オズワルド』は計算された高い完成度の漫才を披露してみせた。
『錦鯉』はファイナルラウンドでは街中に逃げた猿を捕まえるという漫才で、やり終わった後に、司会の今田耕司から「これ笑う以外あります?」とまで言わしめることに。決選投票では審査員5人からの票を得ての優勝となった。決まった瞬間、長谷川は顔をクシャクシャにしながら、その瞳には涙が浮かんだ。
審査員を務めた『ダウンタウン』の松本人志からは「決勝こんない悩んだことなかったです。最後の最後に1番バカに入れようと思いました」と、講評を語るとともに、同じく審査員の『ナイツ』塙宣之と『サンドウィッチマン』富澤たけしは涙をぬぐいながら祝福。その最後に、長谷川、渡辺ともに「ありがとう」というメッセージで締めくくった。
その後、『錦鯉』による会見が開催。長谷川が優勝の瞬間見せた涙について質問があがると長谷川は「優勝が決まったときに(渡辺が)抱きついてきて、そこで『ありがとう』と言ったんです。普段そういうことを言わないので、涙があふれてきたんです」と説明。これに渡辺は何度も「言うタイプですよ!」と否定と、まるでネタのようなやりとりを繰り広げることに。
昨年も決勝の10組まで残った『錦鯉』だが、今年はどこか違った部分があったのかという問いかけに、昨年、松本に指摘されたパチンコ屋のネタからどうしたらいいかを考えるとともに、所属事務所の「ハリウッドザコシショウとか、『バイきんぐ』の2人に直接ネタを見てもらったのが、(優勝に)つながったと思います」と、協力があったことを明かす。
長谷川は今年50歳と『M-1グランプリ』史上最年長での優勝者となった。この年齢の部分にも質問が集まることがあり、長谷川は「東京とか新宿でお笑いライブに立つと、どのライブ会場でも年上で、ひとまわり、ふたまわり年齢が下の芸人の中でやってきたんです。それでも、ちゃんと周りの人間が受け入れてくれたのが感謝です」といい、渡辺も「いまの若手に感謝ですね」と噛みしめるように語る。
その若手が受け入れてくれたという言葉を象徴するように、本大会で優勝が決まったときにも渡辺は「(出場者)全員から『おめでとう』と言って頂いて、優勝したんだなと思いました」と、話していた。
今後どんな目標はという質問に、長谷川は、「僕が何事もスタートが遅いんです。自分のせいでズレて時間がかかっちゃったと思う。松本人志さんの言葉で、『魂は年を取らない』が大好きな言葉なんです。おっさんだからとか、若造だからとか、いろいろあるじゃないですか。そういうことじゃなくて、頑張ろうという気持ちで、50歳超えても、体が動かなくなったら、言葉で補いながらやっていきたい」と、さらに意気込み、渡辺は「漫才師の頂点に立ったので、漫才で全国を回れたらと思います」と思いを馳せた。
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※記事内画像は(c)M-1グランプリ事務局