映画『グッバイ、ドン・グリーズ!』(監督:いしづかあつこ/配給:KADOKAWA)プレミア上映会が16日、東京・TOHO シネマズ 六本木ヒルズで開かれトト役・梶裕貴、ドロップ役・村瀬歩、いしづか監督が登壇した。
2018年1月から1クールで放送され感動を呼んだTVアニメ『宇宙(そら)よりも遠い場所』を手掛けたいしづか監督による作品。周囲とうまくなじむことのできず浮いていたロウマ(CV.花江夏樹)、トトが2人だけのチーム『ドン・グリーズ』を結成。ある事情でアイスランドからやってきた少年・ドロップも『ドン・グリーズ』に加わるなか、夏休みにひょんなことから山火事の犯人に仕立て上げられてしまうこととなり……。
上映後に有観客のなかキャスト陣が登壇。この日はロウマ役の花江も本イベントに登壇予定だったが、今月14日に新型コロナウイルスの濃厚接触者に該当する可能性があると判明し、自主隔離しているため登壇を見合わせているが、メガネ姿の梶から、「メッセージをあずかってまいりました」と、携帯を取り出すことに。
「登壇できずに申し訳ありません。みなさんにお会いしたかったです。ロウマから僕を感じてもらえれば。それと、電話ボックスを見かけたら近づいてください。すぐ電話します!」
と、作品にかけたメッセージを寄せることに。ここで梶がメガネをかけていることに、「ロウマもメガネですし、花江くんもメガネですので、気持ちを乗せてまいりました」と、意識していることも明かして、場内を盛り上げた。
本作はオーディションが行われ、梶と村瀬はオーディションを経て起用となったという。梶はそんな本作の台本を読んだときに、「ワクワクしかなかったです。予想していた笑いと涙があって。自分の中でぐっと来たのは人間ドラマなんです。僕が経験してきた青春時代の思い出、彼らだからこそ感じている気持ちというものを、追体験できるというのは役者の醍醐味として感じられました。参加できて嬉しかったです」と、演じることによって自身も青春を感じられたという。
村瀬は、オーディションのときから、ほとんど画ができていたことに驚いたといい、「呼吸感とかもすごいし、脚本にも『えっ、嘘でしょ……』という“ドロップの秘密”というところもあるんです!早く収録したいという気持ちでした」と、胸が弾んだそうだ。
さらに、村瀬が話した画が出来上がっていたことにより梶が焦ったオーディションの出来事もあったといい、「オーディションは原稿とセリフだけで、音を頼りに収録するのかなと思って現場に行ったんです。でも、なにかの手違いで、映像を観てないで、スタジオ内に入ったら画がほとんどできあがってる状態で口も細かく動くくらいに出来上がってて(苦笑)。観てないですと言い訳するわけにいかないから、最初から知ってるふうに合わせるぞと思ってやったら、うまく合ったんです(笑)。これはやる気がなかったわけではないんです。たまたまなんです。トトとフィーリング合ったのかなとか、本当にドキドキしたんです」と、ぶっつけ本番でちゃんとキャラクターとの口パクが合っており、ピンチを切り抜けたと話す。
これに、いしづか監督も「びっくりするぐらい合ってて」と、舌を巻くほどで、「ほかの作品だと口パクがずれたりとかで直すのが大変になったりするんですけどこの作品の3人はほとんどそういうことがなくて」と、その声優技術を褒め梶も「長年声優やってきてよかったです」と、胸をなでおろしていた。
お気に入りシーンの話題では、ドロップと焚き火を囲むシーンと口をそろえた梶と村瀬。村瀬はそのシーンでのトトの演技に感動したといい「こんなに真に迫ったセリフ自分には言えないと思って」と、絶賛もしており、梶としてはそういったシーンがある本作へ「大人になるまでに得た経験値だけじゃない、ドラマがあると感じています」とも語っていた。
ほかにも、いしづか監督が本作が『宇宙よりも遠い場所』を制作している際に、「世界というものを見据えたいと思って。それがずっと引っかかってて、広い世界を書いてみようと思ったんです」と、経緯を話したり、「次やりたいと思うのは、ロケハンできるやつを作りたいですね(笑)。今回の作品でアイスランドに行けなかったんです。アイスランドに行ってニューヨークにいけば、北半球一周じゃんと思っていたんですが(笑)」と、新型コロナウイルス禍でロケハンできなかった無念を話したり、梶は「監督のお話を聞いていると“2”とかね。『ドングリーズ』外伝でもいいので、なにかの形で演じられたらと思っています」と、大きい期待を伝えていた。
その後の記念撮影では村瀬が「花江くーん!」と声をあげたり梶も、メガネをクイッとしながら花江の名前を呼んだりと、温かさにあふれるなか終演を迎えていた。
映画『グッバイ、ドン・グリーズ!』は2月18日より全国ロードショー予定!
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