俳優・工藤阿須加(30)、元女子テニスプレイヤーの伊達公子氏(51)が3日、東京・スペースFS汐留で映画『ドリームプラン』(監督:レイナルド・マーカス・グリーン/配給:ワーナー・ブラザース映画)スペシャルトークイベントを開いた。
ウィル・スミスがプロデューサーとして参加し主演もしている作品。世界最強のテニスプレーヤー姉妹であるビーナス&セリーナ・ウィリアムズの破天荒な実父リチャードの驚きの実話。テニス未経験のリチャードが、2人の娘が生まれる前から独学で作った唯一無二の『計画書=ドリームプラン』と、その計画を信じ続けた父、娘、家族の絆、2人の世界チャンピオン誕生の知られざる秘密を描いた感動作となっている。
伊達は本作の日本語翻訳の監修も務めていることから、工藤はプロを目指していたほどのテニスの腕前なことからゲストとなった。
作品を観て伊達氏は、「テニスにかかわる人間として、本当に感動しました。サクセスストーリーだけでは語れない家族愛、家族の絆、諦めない夢を持つことの大切さを感じました。リチャードさんが娘たちを愛する気持ちもすごく伝わってきました。人生の強さを感じさせてくれる映画でした」と、感想を。
一方の工藤も「すごく素敵な映画に出会えて幸せだなと感じました」と、大興奮しながら、「リチャードさんは、破天荒な父親と書かれたりしますけど、破天荒というより新しいこと、みんなが常識だと思っていることの外、それの外をやろうとすると、どの分野でも邪魔すしようとする人もいるというのを、この作品を観て感じています。映画を観て人生の生き方を学んだと言うか、どう生きるべきかを感じました」と、熱弁を振るった。
伊達氏は現役のときにウィリアムズ姉妹との対戦やリチャード氏を試合会場で見かけたそうだが、「ほかの選手と交わることは独特の雰囲気を持つチームなので、私が見た中ではなかったです」と当時を振り返ったり、工藤はウィル・スミスの演技に見入ったといい、「リチャードさんと会ったことはないですけど、(ウィル・スミスの演技で)人柄とか普段こういう癖がある人なんだろうなということを投影できてしまうくらいなんだなと思いました。いち役者として学ばせて頂いたなと思いました」と、感じ入ったそうだ。
作品にかけて、自分の家族にあるルールを明かすコーナーがあり、そのなかで工藤は、父親で元プロ野球選手で現在は野球解説者として活動している工藤公康氏から、「ルールというより、常に小さい頃から言われ続けたのは、礼儀・あいさつ・態度です。『誰に対してもしっかりあいさつをしろ、誰に対しても感謝の気持ちでいろ』と言われました。勝負も勝ち負けというより、試合に挑む前に、どういうプロセスで臨んだのかや、試合中のプレーの内容とか、途中で気持ちを投げ出してないかとかでした。気持ちを投げてしまったことを見抜かれたときには、『テニスやめろ!!』と、言われて怖かったですね」という教育を受けた思い出を披露。
そこからさらに、自身が胸の内で温めている“ドリームプラン”の発表へ。伊達氏は『ファミリーボックスから見るセンターコート』とし、「今後ジュニアたちを育成していて、いずれそのジュニアたちがグランドスラムに行った際には、ファミリーボックスで一緒に戦って夢を実現できればと思います」と、野望を。工藤は『子供に未来を』とし、どんな境遇にいる子どもたちにも「自分が与えてもらったものを」「次の世代につなげていかないといけないことがあると思っているので、計画していることがあるんです。子どもたちの未来へ、いろんなきっかけを与えられる環境を作りたいなと思っています」と、熱い胸の内を語っていた。
ほかにも、工藤は伊達へ、「テニスの神様とご一緒している気持ちなんです。僕はプロを目指して頂けで大きい舞台には立ってませんし、先輩から練習量やテニスに懸ける思いとかを聞いていたので、初めてご一緒させてもらったときに手が震えていたんです。それくらいの人なんです。若い方には伊達さんのプレーを参考にしてほしくて、あれだけのライジングを決めるには相当な努力をしないとできないんです。伊達さんのようにテンポの速いテニスはできないと思って、プロを諦めたん人間なんです。本当にすごい人ですから」と、たたえる一幕もあった。
映画『ドリームプラン』は23日より全国ロードショー予定!
※記事内伊達公子衣装は『MIKAKO NAKAMURA/ミカコナカムラ』