俳優・佐々木蔵之介(54)、葵わかな(23)、加藤和樹(37)、水田航生(31)、永島敬三(34)、浅利陽介(34)、高畑淳子(67)が25日、東京・池袋の東京芸術劇場 プレイハウスで舞台『冬のライオン』(演出:森新太郎)取材会を開催した。
1183年クリスマス、それぞれ今日こそ決着をつけようという思惑とともに集まったイングランド王ヘンリー二世(佐々木)と王妃・エレノア(高畑)、長男・リチャード(加藤)と次男・ジェフリー(永島)と末っ子・ジョン(浅利)、敵国の若き王・フィリップ(水田)、愛妾・アレー(葵)。家族の跡目争いや、愛と憎しみと欲望を描き、緊迫のパワーゲームをを繰り広げる。
メディア向けに作品の約20分ほどが披露され、その後取材会へ。佐々木は「去年に読み合わせをして、たっぷりけいこしてきたんですけど、全然僕は足りなくてドキドキしています」と率直に話しつつも、「でも、あす客さまとお会いできるのは楽しみです」と、心情を。
高畑も佐々木と同じような心情のようでセリフを紙に書いて家の壁に張って覚えているそうだが、キャスト陣を見回し「1回もちゃんとできていない。ものすごい悔しい!若い脳細胞の人たちはすぐできちゃうんですよ!テンポが早いんですよ、頭良いから!本当にもー腹が立つ!!」と、吠えて笑いを誘いつつ「人生最後の舞台と思うくらいの気持ちで努めさせて頂きます」と、ハングリー精神を見せつけた。
本作で初のストレートプレイに挑戦となる葵は、「けいこ場から分からないところや不安がありました。ですが、みなさんと1ヶ月近くけいこしていくなかで、ポカポカした気持ちでいます。みなさまにこのパワーをお伝えして、それがどんなリアクションになっていくのか未知なので、緊張とともに楽しみです」と、こちらも楽しみといった様子で「この家族の人々に翻弄されていけたら」と、流れに乗っていきたいようだった。
けいこ場の雰囲気は永島によると、「みんなで笑い合いながら作った感じがして」といい、浅利も「キュッとするところはキュッとしているメリハリの効いた良い現場でした」と明かす。そんな浅利だが「ウケないんじゃないかと思って怖いんですよ。ウケなかった場合僕らも舞台上で凍りつくしかないので」という気持ちにもなっているそうだ。
舞台上のキャストの衣装は1183年というものにとらわれていない、現代のもののキャストもいるが、これに加藤は「演出の森さんがおっしゃっていたのですが、その当時のものではなく今の時代に合ったもので、お客さんが堅苦しい気持ちにならないような、ラフな感じで観て頂けるようにと思ってだと思います。それぞれのキャラクターに合った衣装で、あーでもない、こうでもないと話しながらみんなで何着か着て決めていって」という形でいまの形になったという。
すると浅利が、「ヘンリーに関しては当初は白いジャージだったんです」と明かすと、佐々木も笑いながら、「ト書きに“ヘンリーは飾らないいつもの”とあったので白ジャージとなって」と、楽しげに話していた。
そして佐々木から「ヘンリーのお話ですが、みんな騙し騙されで、こういうセットのなかで正しくちょっと裏切られたというお芝居になれば。重厚な歴史ものと思ったらちょっと笑えたというような裏切りができれば。劇場に来て楽しんでもらえれば」と呼びかけると、高畑は「ち密な森新太郎演出で、やるべきことはやってきたと思います。あとは生きた人間が演じるという超アナログな世界を楽しんでもらえれば」と、アピールしていた。
舞台『冬のライオン』は26日から3月15日まで東京芸術劇場 プレイハウスにて上演予定!