俳優・松坂桃李(33)、広瀬すず(23)が13日、東京・TOHOシネマズ日比谷で映画『流浪の月』(監督:李相日/配給:ギャガ)初日舞台あいさつを俳優・横浜流星(25)、多部未華子(33)、内田也哉子(46)、李監督(48)とともに開催した。
本作は、2020年本屋大賞を受賞し、同年の年間ベストセラー1位日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門)に輝いた作家・凪良ゆう氏の同名小説が原作。9歳のときに誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗(かない・さらさ)を広瀬が、その事件の“加害者”とされた当時19歳の青年・佐伯文(さえき・ふみ)を松坂が演じる。
上映前、全国劇場の306館で生中継されるなか拍手に迎えられて登場したキャスト陣。松坂はあいさつの際に、一度止まって「映像ご覧になっている方もありがとうございます」と、配信されている方にも気遣いをしながらのものに。
本作の撮影中、一部で激ヤセが報じられたという松坂。実は本作のために、相当に体重を絞っていた期間だったという。「なんでこんな痩せているのか……激ヤセで、何かあったのかと言われていましたけど、そのうち分かるだろうなというくらいの感覚で日々いました」と、当時の心情を笑いながら話すとともに、「いままでにないくらい役、作品との向き合いをじっくり時間をかけて、そういったことを初めてやらせてもらえた場所でもあって、それが自分の中で楽しいというか。ここまでやっても、まだ終わりがないという形を初めて体験したというか。この仕事を続ける上で忘れられないことを体験して」と、力を入れて臨んだそう。
その努力を横で見ていたという多部は、「監督から『桃李くんを触ってよ』と言われて触らせて頂いたんです。ウエストがゾッとするくらい細くて、その日に至るまで、いろんな思いで、今ここに立っているんだと触ったときに感じて。自分は邪魔してちゃいけない、頑張らないと、という気持ちやお人柄を感じた体型でした」と、気持ちも入ったという。すると松坂は、多部が何度か共演したことがある間柄ということで、「積み重ねが助けになったのかなって」と、振り返っていた。
そのストイックな体作りのラストシーン撮影後に、李監督らと洋食店に行ったという松坂。そのときに李監督は「なんでも食べて」と、振る舞おうとしたそうだが、胃に優しい雑炊を作ってもらったそうで、松坂は「雑炊を食べる手が止まらなくて」と、はにかみながら話していた。
ほかにも、コーヒーを淹れることもある役どころということで現場でも相当に練習を重ねたそうだが、美術部スタッフの方の淹れ方がうまく対抗心を燃やした思い出とともに、「温度ですかね……豆かな」と、いまだ悔しそうな様子を一幕も見せていた。
終盤にはサプライズで物語の後半に登場し、重要な役どころを演じる子役の増田光桜(10)がサプライズゲストとして登場。増田から「演技中に松坂さんの声が心にじわーって響いたんです」というコメントに、松坂は胸を手で抑えながら「今の感想がじわーって響いてますよ」と“胸キュン”といった様子で笑みがこぼれていた。
そして広瀬から「きっといろんな人に感じてもらえるものがある作品になっています。たくましい2人を見届けて頂けたら。映画届いたらいいなと思っています」と語ると、松坂は、「いろんな理由だったり、人には言えないことだったり、抱えているものを持ちながら生きている登場人物しかいないです。そんな人らの息遣いや生き方を、この作品を通して観ていただければ、得るものや、みなさまに通じるものがあるのではないかなと思います」と、メッセージを寄せていた。
映画『流浪の月』は全国公開中!
※松坂桃李過去記事
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