俳優・荒木宏文（39）、小宮有紗（28）、松田凌（30）、『7ORDER』長妻怜央（24）、鈴木裕樹（38）、唐橋充（45）が24日、東京・新宿バルト9で映画『漆黒天 -終の語り-』（監督：坂本浩一／配給：東映ビデオ ライセンス事業部）初日舞台あいさつを開催した。
映画と舞台の連動プロジェクト『ムビ×ステ』第3弾作品。記憶をなくした主人公“名無し”（荒木）が、なぜか命を狙われる中、自分が何者なのかや自分の強さをめぐっていくミステリー時代劇。長妻は松田演じる邑麻二郎太とともにごろつきをしている兄弟の邑麻三郎太役を、小宮は“名無し”に助けられるこそ泥の喜多役を演じている。
冒頭、まずは荒木のことをほかのキャストが話していくことに。小宮は「荒木さんは、ここにいる、その存在感だけで安心してお芝居に臨めた！」と切り出すと「おれ、今日は（ほかの共演者から）ずっと褒められ続けるの？うわぁ（笑）」と、はにかむような笑顔を浮かべる。
長妻は「俺が出番の関係で撮影を抜けていた時間も、闘志レベルが落ちずにずっと闘っていたのかと思うと凄い人！」。
松田は、「誰よりも大変な役でスケジュールもハードなのに、泊まっているホテルから片道40分もかけて徒歩で撮影所まで来るのが凄い、憧れの人！」と、その居住まいを話すと、荒木は、「頭の中や体の中を整えて現場に入るんです。準備運動みたいなイメージ。帰りも40分かけながら、クールダウンする。今日の振り返りと、次の日のことを考えるために、歩いているんです」と、淡々と解説。松田はそれを受けて「俺なんか、現場終わって疲れたからタクシーで帰ろうと思ったのに、その話を聞いて、ポケットにお金しまい歩きました」と、感化された……かのように見えたが「でも、2日目からは負けました」と、告白して笑いを誘う。
唐橋は「荒木さんは、ぴんと糸を張ったような緊張感があると思うと、とても自然体な雰囲気を醸し出している。そして、後輩のことを考えている。体調のことを考えている。将来のことを考えている。なのに煮詰まっていない、それが凄いところ」。
鈴木は、「実は撮影がオフの日に一緒に古着屋さんを巡って、荒木に選んでもらった服を僕がどんどん買っていって。あんなにすごい芝居をしているのに、ファッションセンスも良いというね！」と、称えていた。
また、兄弟役を演じた長妻と松田について荒木は、「普段から兄弟みたいに見えた。初共演とは思えない！彼らの兄弟愛をぜひご覧になってください！」と、アピール。これに対し、長妻は松田へ「共演できて光栄。ストイックさ、演技力の高さが尊敬する」と言うと、松田は「長妻の屈託のない笑顔が魅力！」と返し、和気あいあいだった。
次に、『見えていることが全て正しいとは限らない』という本作のテーマの1つにかけて、最近気づいた今までと真逆の発見は？と難しめの質問が。これに荒木は、「作品を演じて、刃先は自分に向けるべきだと思った」と意味深な発言。この真意として、「最強の男を演じるにあたって何が最強か考えていたんです。そう思うと、敵を制圧する、敗者を作ることをイメージして考えちゃうんだけど、サンドバッグを殴っていて、強さって自分に向けなきゃいけないんだなって感じたんです。自分を律するために強くならないといけないという気持ちになって」と、悟ったことを語っていた。
さらにMCから「主人公の名無しは記憶を失った役だが、忘れたいほど恥ずかしい記憶は？」との質問が。荒木が「ないです。忘れたいものはちゃんと忘れることができる。僕は覚えてません！」と1番に答えて逃げるが、続くほかの出演者は、きわどいエピソードが次々上がる。鈴木は、「スーパー戦隊には”VSシリーズ”というのがあって、獣挙戦隊ゲキレンジャーVSボウケンジャーのラストシーンの撮影日に5時間も大遅刻。しかも僕のセリフが先輩俳優に向かって、『ボウケンジャーのみんな、ありがとな！』と言い放ち、相手が『俺たちこそ、ゲキレンジャーを見習わないとな！』て答えるシーンがあって(笑)！めっちゃ言いずらかったです！」とまさかのエピソードを披露し、観客は大爆笑だった。
最後に主演の荒木が代表して客席に向きなおり、「表と裏、光と陰、表裏一体となっている作品です。お客様の観るコンディションが違えば、結論がちがって見える作品。ぜひ、1度ならず何度も観て楽しんでいただけたらと思います」とメッセージを寄せ、初日舞台あいさつの幕は閉じた。
映画『漆黒天 -終の語り-』は公開中！
