舞台「漆黒天 -始の語り-」ゲネプロ!ストーリー性のある殺陣

舞台「漆黒天 -始の語り-」ゲネプロ!ストーリー性のある殺陣3

 ムビ×ステ 舞台『漆黒天 -始の語り-』(作・演出 末満健一)の公開ゲネプロが5日、東京・池袋のサンシャイン劇場で開催された。

 映画と舞台の連動プロジェクト『ムビ×ステ』第3弾作品。映画版が先に公開されており、舞台版では記憶をなくした主人公“名無し”の前日譚が描かれている。

 以下、公式レポート部分。

 本作の舞台となるのは、戦乱が終わり、徳川による治世が始まったばかりの江戸。新しい時代に、『人を殺す剣』ではなく『人を活かす剣』の在り方を求める宇内道場の師範・宇内陽之介(荒木宏文)は、志をともにする友・嘉田蔵近(梅津瑞樹)、妻・富士(小島藤子)子供たち、門下生や弟子入り志願でやって来た邑麻二郎太(松田凌)・三郎太(長妻怜央)兄弟らとともに、心穏やかな日々を送っている。そんな中、江戸の町を騒がせる破落戸集団『日陰党』に頭を悩ませた玖良間士道(鈴木裕樹)から「日陰党討伐隊」への誘いがかかる――。

 もちろん単体で観ても十分に楽しめるようにつくられた作品だが、やはり【ムビ×ステ】という、映画と舞台が連動する醍醐味を深く感じた本作。それは舞台で描かれるのが、すでに公開された映画『漆黒天 -終の語り-』の前日譚であり、映画を観た人はすでに結末を知っていることが大きい。舞台では数多く描かれる「日なたのような温かい時間」がどうなるのか、映画を観た人は知っているからこそ、一つひとつのシーンや台詞が、何倍もの意味を持ち、世界を広げていく感覚が味わえる。

 その中で主演の荒木は、日なたを生きる陽之介と、日陰を生きる旭太郎という二役を、まるでマーブル模様のように演じ分ける。陽之介と旭太郎という真逆のように思える人物を、時に鮮やかに、時に濁るように演じる姿を観ていると、この物語の描く“漆黒”が浮かび上がってくるようにも感じる。また逆に、荒木以外のキャストの面々が役を魅力的に演じれば演じるほど、“漆黒”が深く深く沈んでいくようだった。

 陽之介と旭太郎以外の登場人物たちの背景も丁寧に描かれている。日なたにいる彼らと、日陰にいる彼ら、それは「正義」と「悪」という、物語の世界では特に「違う生き物」に見える存在だ。その一人ひとりの背景や感情が、この物語のまた違う側面を見せているように思えた。そんな登場人物のストーリーを感じられる殺陣にもご注目を。

 たとえば陽之介を取り巻く人々の刀さばきは美しく整っているが、そこに「覚悟」があるのかないのか、なにを想って刀を振るのか、そういうものが自然と感じられるようにつくられている。同じく、日陰党の面々の“自己流”を感じるアクションにも、彼らがどんな生い立ちだったのかを想像させられた。

 舞台を観たら映画に、映画を観たら舞台に、違った手触りを感じられるだろう。まずはぜひ劇場で、この“漆黒”を体感してほしい。

 以上

 ムビ×ステ 舞台『漆黒天 -始の語り-』東京公演は5日から21日からサンシャイン劇場にて大阪公演は31日から9月4日まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演予定!

 ●出演
 荒木宏文
 松田凌 長妻怜央(7ORDER) 梅津瑞樹 / 小島藤子
 橋本祥平 松本寛也 加藤大悟 安田桃太郎
小澤雄太 鈴木裕樹
 工藤翔馬 榮桃太郎 澤田圭佑 下尾浩章 菅原健志 杉本佳幹 宮永裕都 横山慶次郎

 ※漆黒天過去記事
 ・荒木宏文 長妻怜央から「闘志レベルが落ちずにずっと闘っていたのかと思うと凄い人!」鈴木裕樹まさかの5時間遅刻告白なども
 ・荒木宏文「獣拳戦隊ゲキレンジャー」共演の鈴木裕樹からの振りに飄々返答で笑い誘う!小宮有紗「えっ……!?」素っ頓狂な声を出すも松本寛也がフォローも

 ※記事内写真は(C)2022 movie-st

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