12月9日より東京・新宿 歌舞伎町の超現実エンターテインメント EXPO『VR ZONE SHINJUKU』内で、いよいよ稼働を開始するチーム対戦型フィールドVRアクティビティ『近未来制圧戦アリーナ 攻殻機動隊 ARISE Stealth Hounds』。その体験会が6日、メディア向けに開かれた。
『攻殻機動隊』とは、漫画家・士郎正宗氏が1989年に発表した作品。その後、コミック、アニメ、映画などさまざまなメディアミックスがされてきた人気コンテンツだ。プレーヤーは『攻殻機動隊 ARISE』で公安九課結成前に主人公・草薙素子から招集された特殊部隊のルーキーという立ち位置で、実力を測るためにテロリスト集団の制圧戦に参加するというサイドストーリーがある。
今回の新アクティビティでは、20メートル×11メートルの専用アリーナで体験者が自由に歩き回れるというフィールドVRが特徴で、最大8人がその中を自由に動き回り、攻撃し合ったりしながら勝敗を決めるPvPのチーム対戦型。
実際の体験では、まずはセンサーの体への装着から始まる。係員の丁寧な説明のなかヒザ、背中、手などにセンサーを付けていくことになり、自分が特殊部隊の一員になったような非日常感を味わえること請け合い。VRゴーグルをつけてからは、ヘッドホンから聞こえるナビゲーターの指示で動作確認を経て、素子から今回の任務を聞かされ、いざ電脳の海へダイブするような感覚でゲームをスタート!
チームメイトと連絡を取り合いながら、動き回る相手を手にしたブローバックする銃で撃っていく。キャラクターの造形や空間の作り、火花の散る演出もクオリティーが高く、『攻殻機動隊』おなじみの光学迷彩機能も使える。こちらは10秒ほどの間、敵の目から見えなくなるもので、遮蔽物から飛び出して、敵を視認するときなどに有効なようだ。
敵から撃たれると、胸元あたりが震える機能となっており、倒されてからは、リスタートポイントまで自分の足で戻って、戦闘に再び参加できる。装備の脱着から実際のプレーまで合わせて約30分ほどで、『攻殻機動隊 ARISE』の世界観にどっぷり浸れる仕上がりとなっていた。
体験後には、『Project i Can』の“コヤ所長”こと株式会社バンダイナムコエンターテインメントの小山順一朗氏、“タミヤ室長”こと株式会社バンダイナムコエンターテインメントの田宮幸春氏、株式会社バンダイナムコエンターテインメントの“CJ”ことローム・チャールズプロデューサーがさまざまな質問に答えた。
まずは、このゲームのコツについての質問が。ゲーム前に、ナビゲーターからの説明もあるが、タミヤ室長はあらためて「走らないほうが有利になる」と、ゆっくり歩くことを挙げる。それは、走ると光学迷彩をしていても物音で敵からの見つかりやすさや、自分が倒された場合のリスタートタイムにかかわるそう。
たとえば、なんのペナルティもなくリスタートポイントに入ると3秒ほどで戦線に復帰できる。しかし、早足で歩くとペナルティが加算されるという仕組みで、コヤ室長は「私は走ってばかりだったので復活まで30秒かかってしまって」と、苦笑い。倒されて、いわゆる“死んでる”状態でリスタートポイントまで戻る際にも早足で行くとペナルティの加算があり、復活まで時間が延びてしまうため、ゆっくりリスタートポイントまで戻るという注意も必要だ。
なぜ、こんなに早足にならないように設計されているのだろうか?それを紐解くキーワードは“安全第一”という言葉がふさわしく、タミヤ室長は「ここが1番このアクティビティの悩ましいところなんです。自由にみなさん動けますという状態で対戦しますというのは世界でもそんなに作られたことのない状態で、われわれもチャレンジなんです。いわば目隠しをした状態で歩き回る、普通に考えればかなり危ないことをして頂いている状態なんですよ。そこでゲームデザインを考えたときに走らなくても済むように、むしろ走らない方が有利になるというゲームデザインを設定しているんです」と、目隠し状態というデメリットを安全を確保しながらむしろメリットにできるように考えた結果のよう。
タミヤ室長は「このアクティビティは慣れてくると、あんまり動かない方が有利になるんですよ。動いちゃうと物陰から自分の姿が見えたときに狙い撃ちされてしまうので身動きがとれなくなってくるんです。そこで光学迷彩を使うと見えない状態で撃てるんです。初めてプレーすると撃ちたくてバンバン動き回っちゃうんですけど、うまくなってくると動きが変わってくるんです。人間側の工夫の余地があってルールは一緒でもフェイントを入れたりとか、どういうふうに立ち回ったら敵を倒せるのかとか姿勢とか動き方も変わってきます。ですから、ルールにかんして更新していこうというはあまり考えていないんです」と、プレーヤー自身のレベルによって遊び方がより深くなっていくようでコヤ室長も「特殊部隊みたいな気分になれますよ(笑)」とのことで、しゃがむくらいまでの動作も可能という。
やりこんでプレーレベルも上がってくると他人とスコアなどを競いたくもなってきそうなもの。大会などを開く予定はあるのかと尋ねると3人とも「やりたいんですよ!」とプランには上がっているようで、タミヤ室長は「お客さまにどういう対応しようかというのが運営の今後の課題として方法は提供していきたいですね」と、話していた。
【後編(VR攻殻機動隊は「機動戦士ガンダム 戦場の絆」スタッフが集結で一丸!高めの値段設定への込められた思いとは?)へ】