俳優・大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太、女優・篠田麻里子が9日、東京・テアトル新宿で映画『ビジランテ』(監督:入江悠/配給:東京テアトル)初日舞台あいさつを入江監督と開いた。
大森、鈴木、桐谷のトリプル主演作。幼い頃に失踪した長男・一郎(大森)。市議会議員の次男・二郎(鈴木)。デリヘル業雇われ店長の三男・三郎(桐谷)。別々の道、世界を生きてきた三兄弟。父親の死をきっかけに、失踪していた一郎が、30年振りに突然帰ってくる。再会した3兄弟の運命は再び交錯し、欲望、野心、プライドがぶつかり合い、事態は凄惨な方向へ向かっていってしまう……。
入江監督は本作が頓挫しかけ、普段泣くことはないが泣いたというエピソードがあったり、桐谷も「僕はもう感極まっています。めっちゃ嬉しいです!僕の代表作になりました!!こんなに絶望的に格好いい作品を撮ってくれて本当に感謝ですね」と、万感といった様子を見せ入江監督も「桐谷さんじゃないけど僕の代表作になりましたね」と、思い入れのたくさん詰まったあいさつに。
1人でも主役を張れるキャストが3人もそろった本作。お互いの印象へ大森は「昔から2人と知り合いだったので、こういう形で兄弟役をやれると思わなくて実際楽しかったですよ」といえば、桐谷は、「南朋さんは昔からの大先輩ですし、浩介くんと南朋さんに甘えさせてもらったというか。3人同時に絡んで演じさせて頂くのはケンカの部分だったんですけどね」と、信頼を寄せていたよう。そんな3人は入江監督からすると、「僕の想像を3人は超えてくれました。こんな芝居してくれるんだって」と、感謝を伝える一幕も。
一方、篠田は鈴木の妻役で出演しているが、「浩介さんとは以前お見合い相手という設定の役を演じさせて頂いたので、私の中ではその続きだなって。優しくて包容力もあるし」というと、鈴木は「そう思っていたんですか!?」と、ビックリといった様子。
さらに、篠田によると撮影序盤に「ここで覚悟を決めたシーンでした」という“絡み”のシーンもあったのだとか。それだけの覚悟を持って臨んだ篠田へ、入江監督は「おこがましいですけど、篠田さんの持っている経歴とか頑張ってきたところとか、この作品では120%出せると思って。AKB48の人はタフな人が多いと思うので何度もダメ出ししました」と、スパルタで接し、見事にその声に応えきったようだった。
続けて、篠田の役にちなんで男を手玉にとって裏で操る悪女の魅力というテーマも設けられると大森は「そういう女性は怖いですよね。女の人は恐ろしい」と、身震い。しかし鈴木は「楽っちゃ楽ですよ。操られればいいので」と、一理ある意見で場内をうならせていた。
ほかにも、印象的なシーンについて、大森も鈴木も川のシーンをチョイス。大森は「真冬で雪の降るなか、川に入って、心臓止まっちゃったらどうしようと思って。責任とてくれるのかなって」と、かなり過酷っだったようで、鈴木も「綿密なリハーサルをして、川に入ってられるのは10分だったら大丈夫となったんです。でも、あれは3分ですよ。だって、大森さんに頭を川につっこまれるんですけど、その瞬間全部無音になって、上がった後も無音で。だから大森さんは川に顔をつっこんでいるようで、引っ張り上げくれているんです」と、入江監督への恨み節をさく裂させる。
それを見ていた桐谷は「20年スタッフをやられている方が20年間で1番過酷だったというくらいでしたよ」と、証言まで飛び出し盛り上がっていた。
映画『ビジランテ』はテアトル新宿ほか全国ロードショー!