「ポテりこ」が2028年度に家庭で食べれるかも……カルビーグループ冷凍食品事業本格参入へ

カルビー株式会社グループが冷凍食品事業に本格参入へ!JAしれとこ斜里冷凍加工施設建設で連携4

(撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ)

 カルビー株式会社としれとこ斜里農業協同組合の共同記者発表会が1月23日に都内で開催。JAしれとこ斜里が建設する冷凍加工施設を足掛かりに、カルビーグループが冷凍食品事業に本格参入することが明かされた。

 両社の間では、ばれいしょの安定調達および冷凍加工施設の建設・運用に関する合意が本日1月23日になされたこともアナウンス。この冷凍加工施設はJAしれとこ斜里が建設を行い、完成後は運営はカルビーグループが行うとのこと。投資規模は約200億円となり、2027年度中に操業を予定しているという。

 この背景の1つとして、カルビーグループは国内ばれいしょ生産量の約19%(2024年3月期・年間37.9万トン)を使用しているが、2030年までに国内ばれいしょ調達量40万トン以上の確立を目指しているという目標がある。同社では『産地の分散化』、『継続的な品種転換』を行うとともに昨今の気候変動によりばれいしょの収穫量が減っているという現状を認識しており、この連携により年間4万トンまで原料ばれいしょの調達が可能を見込み、国内ばれいしょ調達量40万トン以上にむけた布石となるとしている。

 一方、この協働によりJAしれとこ斜里の生産者にとっては、他作物から加工用ばれいしょ生産に転換することで収益面の改善を図る。ばれいしょの安定的な販売先の確保と地域雇用の創出が期待できるとしている。

カルビー株式会社グループが冷凍食品事業に本格参入へ!JAしれとこ斜里冷凍加工施設建設で連携3

 冷凍加工施設を足がかりに、カルビーグループでは、カルビー商品が楽しめるお店の『カルビープラス』などで販売しているホットスナック『ポテりこ』をはじめとする冷凍食品事業に本格参入するとのこと。会見では、『ポテりこ』以外での冷凍食品として、カルビー株式会社代表取締役社長兼CEOの江原信氏は「『ポテりこ』を入り口として、まだ構想段階ですが、弊社には『じゃがポックル』もございますので、ホットスナックとして販売できれば」と、現時点での考えも披露。

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 さらに江原氏は今回の取り組みはばれいしょの出口戦略として始まったものとしつつ、「『ポテりこ』はフレンチフライとは毛色の違ったものになっていると思います。そうしたように、北海道のばれいしょでカルビーらしいものができれば。フレンチフライの同じ土俵で戦うということではないかなと思います」とコメントしていた。

 なお、この取り組みによりスーパーなどでの冷凍食品の販売も視野に入れているそうだが、発売されるタイミングとしては、江原氏は「加工施設が2027年度操業なので2028年度からになるのではないかと思います」と話すとともに、「われわれ、いままでスナックの営業をしていますので、営業の方法が変わってまいります。これだけのものを売っていこうとなりますと営業の強化、カルビーの営業の活用を考えていかないといけないと思います。それと、第1期の生産ですので、嬉しいことになった場合は嬉しいですが、そうなった場合への販売の方法は考えていきたいと思います」と話していた。

 また、冷凍加工施設を観光スポット化する?という質問も挙がったがカルビーポテト株式会社取締役執行役員の馬鈴薯事業本部 本部長 川崎滋生氏から「斜里町さまとさまざま検討しております。せっかくご当地でのものですので、真剣に考えさせて頂きたいと思います」と、現状を話していた。

 取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ

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