冬よりも実入りのいい春牡蠣を広島のランドマーク周辺で“はしご牡蠣”！一口では食べきれない大ぶりカキフライやクラフトビールに相性ぴったりの牡蠣料理など

　牡蠣（カキ）のシーズンというと、冬というイメージの方が多いかもしれない。しかし、産卵を控えた春、とくに3、4月は冬の時期から、さらに実入りが良くなり、1番栄養を蓄えた牡蠣が楽しめると生産者および飲食店の方々の間で話題となっているという。

　そんな春牡蠣の魅力を広く知らしめたいとの狙いから3月下旬に『広島県観光連盟主催プレスツアー』が開催された。

　広島県といえば『お好み焼き』のほかに牡蠣の産地として名前が挙がる。しかし、『お好み焼き』とは違い、広島県内牡蠣が楽しめることを掲げた飲食店が少なく、広島県内にある『魅力的な牡蠣生産者』の存在が伝わりにくいという課題を抱えているという。そこで、広島県観光連盟では『牡蠣食う研』なる組織を立ち上げ、牡蠣生産者や料理人からなる牡蠣のスター集団として集まり、認知向上へ向けた活動を日々している。

　同団体では、今春には、広島・広島市の大手町エリアと、JR広島駅西側の通称エキニシエリア（広島市南区大須賀町）地区の計27の店舗で春牡蠣を楽しみながら景品ももらえる『ひろしま春の牡蠣まつりシールラリー』を4月9日まで展開中だ。こちらは、はしご酒ならぬ、“はしご牡蠣”をしてもらおうという趣旨で、シールラリー参加店舗には、特製の提灯が飾られている。今回のプレスツアーでは、同県の大手町エリアにて昼から楽しめる3店舗を“はしご牡蠣”でめぐった。

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特製の提灯

　1軒目に訪れたのは、『広島かき酒場 MOMIJI』。広島駅から路面電車の広島電鉄に揺られて約20分ほど。広島のランドマークの1つであるおりづるタワーにほど近いビルの一角に同店はある。居酒屋というと夜から営業しているイメージだが、同店はランチ営業もしており、訪れた際も、客が入れ替わり立ち替わりし、繁盛している様子が見て取れた。

　広島県観光連盟関係者が言うには、同店は広島県民に知られる隠れた牡蠣料理の名店なのだとか。その理由は同店人気のランチメニュー・カキフライ定食（900円・税込）が来て納得。手のひら半分ほどだろうか、見た目のとにかく粒の大きなカキフライが5つ提供されるのだ。『テツマル海産』という同県のブランド牡蠣だそうだが、一口では食べきれないほど。タルタルソースと甘めのソースもつき味変しながら楽しめる。

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カキフライ定食

　続けて出てきたのは、牡蠣天ラー油蕎麦（900円・税込）。自家製ラー油を使ったピリ辛のつけ汁で蕎麦をいただく。こちらも『テツマル海産』のもので、大ぶりの牡蠣が大葉で巻いて揚げてある。こちらも食べごたえも抜群。さらに抹茶塩もついており、牡蠣天ぷら単体にお酒を合わせても楽しめるものになりそうだ。

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牡蠣天ラー油蕎麦

　さらに呉市安浦の山根水産から仕入れた焼牡蠣（450円・税込）。こちらは立派な殻付きで、目でも牡蠣を食べたと感じられるもの。ぷりぷりしていて、牡蠣独特のエグみもほとんどなく、口に入れるとふわっと磯の香りが漂い余韻を残していた。

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焼牡蠣

　2軒目は、おりづるタワー1階にある『握手カフェ』。店内は開放感がある天井の高い作りで、テラス席もある。こちらでは『広島牡蠣フライ＆ナマチ』（680円・税抜）をいただく。大粒牡蠣フライ4個とともに、“ナマチ”と同店で呼んでいるホームメイドの安芸津産のじゃがいもの揚げたてチップスがつく。厚紙を折って作られた容器で提供されたが、テイクアウトだとコンパクトに閉じた形、店内だと開いた形で提供され見た目にも違いが。ホットスナック感覚で持ち歩きながら春牡蠣を楽しめるものになりそうだ。

　さらに通年で販売している、県内で知名度の高い牡蠣ブランドで大崎上島ファームスズキ産の『ストライプオイスター』（テイクアウト・1727 円（税抜）、イートイン・1900 円（税抜））を生で試食させてもらった。緑色がかっているのが高品質の印なのだそうだ。

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『ストライプオイスター』

　そして3軒目。おりづるタワーから徒歩約5分、広島本通商店街内にある『Craftbeerと炭火「はればれ」』へ。クラフトビールを仕込むビル2階分の巨大サーバーが見えるのが同店の目印だ。

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Craftbeerと炭火「はればれ」外観

　こちらでは、牡蠣のオイル漬け（550円・税込）、牡蠣のアヒージョ（847円・税込）、牡蠣のお出汁クリーム煮（968円・税込）の3品をいただく。どの品も酒のアテにピッタリの塩気があるうえ、同店のイチオシのクラフトビール・広島日の出ラガー（R：715 円（税込）、L：1155 円（税込））との相性も良い。