1923年(大正12年)9月1日の関東大震災から94年。M7級の首都圏直下型地震が起きる確率が「30年以内に70%」といわれる中、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震など相次ぐ大地震に台風、線状降水帯などによる大規模水害と、いつどこで大規模災害が起きてもおかしくない。
ひとたび、災害が起きるとライフラインが止まり、長期避難生活が強いられる。また、避難所での避難生活は環境の変化やストレスなどから体調を崩す方も多く、在宅避難をする人たちも多い。
そんな切迫した住環境の中、特に「食」の問題は切実。1日おにぎり一個、惣菜パン1つなどで数日過ごすことも普通だし、避難所によって、食事の充実度が違うことも事実。また、炊き出しも毎日行われるわけではない。
そこで、より多くの方に家庭の備蓄を改めて見直してもらうための啓蒙活動として、「『東京備食』試食会」を、防災の日の前日である8月31日に、東京・日本橋の和食居酒屋『ニホンバシ イチノイチノイチ』で開催された。
この『東京備食』のメニューを監修したのは、人気の日本料理店『賛否両論』店主・笠原将弘シェフ。
避難生活が長引けば、不安やストレスが溜まり、食欲減退にもつながる。そんな不安な心を少しでもほぐすために、美味しさや栄養に徹底的にこだわった備蓄食。
笠原シェフは、「東日本大震災のときに、東京の料理人仲間と難度が被災地に炊き出しに行った」そうで、その時の体験と被災者たちからの生の声が、今回、随所に生かされている。
その最大の特徴が「美味しさにこだわったコース料理」(笠原シェフ)だという。コース仕立てにすることで、いろいろな栄養素をバランスよく入れられた。1食分は主食、主菜、副菜、汁物、デザートの5品となっていて、被災時に不足しがちな食物繊維や野菜や、ストレス軽減に効果的と言われる甘味(デザート)もしっかり入っている。
また、食事の時間がちょっとでも癒される時間になるようにという心的効果を狙った。「楽しむなんていってられない状況ですが、食べないと生きていけないので、ちょっとでも癒しの時間になってくれれば」(笠原シェフ)。
次に、「食感がないものが多い」という声に応え、『ぜいたく沢庵』や『ごぼうとにんじん 甘酢きんぴら』など、コリコリとした食感を入れた。噛むことは食欲増進や脳にも刺激となる。
さらに、「食事の時間に缶詰ごと食べるのではなく、紙皿に盛り付けて食べると少しでも癒されたり、食事の時間が楽しくなる。ビタミン食物繊維不足は風邪をひいたり、便秘になるので、果物を豊富に獲ってもらいたかった。野菜取れるようになってます」と、シェフの優しさとこだわりで満たされている。
■『東京備食』内容
【カロリー】2,188kcal
【内容量】1食メニュー×3食セット、備蓄ガイドブック「備える本」1冊
「備える本」は、備蓄の豆知識や、備蓄食材のアレンジレシピ紹介など、備蓄のイメージを変えるような内容が盛り込まれたオリジナル仕様となっている。
※1食メニュー
缶詰4缶(主菜、副菜、汁物、デザート)、ごはん1袋(アルファ化米)、割箸、おしぼり
【メニュー内容】
「Aセット」
うなぎのかば焼、ぜいたく沢庵、海老しんじょう お吸いもの、ほろ苦みかんゼリー、白ごはん
「Bセット」
霧島黒豚角煮 たまねぎソース、ごぼうとにんじん 甘酢きんぴら、生麩の白みそ仕立て汁、ラフランス 赤ワインコンポート、白ごはん
「Cセット」
ぶり大根 含め煮、かぼちゃの田舎煮、ごぼうとじゃかいも すり流し、黄桃シロップジュレ、白ごはん
【アレルゲン】卵、乳、小麦、えび、オレンジ、牛肉、ごま、さば、大豆、鶏肉、豚肉、もも、やまいも
【賞味期限】2020年1月7日
【値 段】6000円(税別)
【保存方法】直射日光を避け、常温で保存してください
【販 売】セブンネットショッピング