吉本興業株式会社が2日、東京・新宿区の同社本社で『第3回経営アドバイザリー委員会』を開催。同委員会で座長を務めた国際医療福祉大学教授の川上和久氏がメディア向けに説明の場に立った。
6月から報じられ続けられている闇営業問題に端を発した同社の問題について、その社内改革を目的に『経営アドバイザリー委員会』を設置。7人の有識者が経営にかかる懸案事項について、専門的知見から助言・アドバイスを提示し、社内改革を進めていくもので、いわゆる第三者委員会のような不祥事を調査してその責任の所在や社内処分のありかたを提言するものではないとしている。
その大枠としては、(1)反社会的勢力の完全排除へ何を実行すべきか、(2)所属タレントとの契約に関して、(3)コンプライアンス体勢の検討とあり方について、(4)コーポレート・ガバナンスのあり方についての4点の審議をする。これまでの2回では(1)、(2)を集中審議し、反社会的勢力との決別も含めた条項の入った『共同確認書』を約6000人すべてのタレントと結び、『共同確認書』をベースに、『マネージメント契約』、『専属エージェント契約』の2種類を選択することができると発表していた。
第3回は2点のことが話し合われた。1つ目は反社会的勢力への対策とタレントとの契約の確認、2つめはコンプライアンス体制の検討となる。
まずは、タレントとの契約の確認について、『共同確認書』の確認について、川上氏から第2回の時点で400~500人に確認したと報告があったが、2日の時点では約1000人と面談したことを報告。年内にも約6000人すべてとの面談を終えることを目標にしていることも明かされた。
約1000人の面談を経てみてタレントらからは「タレントさんの方々から料率はどうなっているのか透明化してほしいと。(吉本興業側からは)それを透明化するという説明を頂きました。タレントさんの一番の関心事はそこにあったといいます」と、事情を明かされたとも。
さらにギャラの取り分について経営アドバイザリー委員会から吉本興業へ質問したといい、川上氏はその返答へ「一部のタレントがギャラはこれぐらいで吉本興業がとりすぎではということもありました。吉本がTV局と契約した場合これぐらいの金額で受けていますという料率の開示をタレントさんに話していくという話を聞きました。一例として、吉本興業が9割を頂いて1割を芸人と言われたりしますが、私達が伺ったTV局との契約の例では吉本興業から、ざっくりいうと半額が支払われているというふうに聞きました。もちろんたくさんの例はあってイベント出演など単純に行かないような場合もあります。これからは契約のなかで丁寧に話し、ケースバイケースで丁寧に開示していくとのことです」。
コンプライアンス体制の検討では、現在の吉本興業のコンプライアンス体制の図を使って説明。これまでの取り組みとともに、新たな案として現場マネージャーを研修したり、芸人らにネタを作ってもらいわかりやすく学べるようにする仕組みを提案したしたと説明した。
なお、次回以降の経営アドバイザリー委員会にて、岡本昭彦代表取締役社長がしたとされる「全員まとめて連帯責任でクビにするからな」といったパワハラなどのガバナンスの問題についても議論するといい、川上氏は「委員の方から厳しい声も出ると思います」と、現在感じていることを口にもしていた。
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