昨年10月に起きた大相撲の元横綱・日馬富士(33)による暴行問題で、被害を受けた貴ノ岩(27)の師匠・貴乃花親方(45=元横綱)が17日、貴乃花部屋の公式サイトを更新。これまで沈黙を守り、多くを語ってこなかった貴乃花親方が、初めて公に向けて、貴ノ岩の状況などについて説明した。
貴乃花親方のコメント全文は以下の通り。
このたびは、私の弟子である貴ノ岩が受けた暴行事件に関して、皆様をお騒がせし、ご心配おかけしていることに対して深くお詫び申し上げます。
1月場所を休場しました貴ノ岩の状況について、ここにご報告をさせて頂きます。
医師には、頭部外傷、頭皮裂創痕、右乳突蜂巣炎痕という診断を受けました。相撲を取る上で避けられない頭部打撲は、慢性硬膜下血腫発症の危険性を増すというご指摘です。
医師によると、受傷後約3か月程度は、頭部打撲を避ける必要があり、平成30年1月の就業は困難とのことですので、貴ノ岩の一月場所休場を決断いたしました。
本人は深刻なダメージを負い、後遺症の心配もあるため、これまでは受傷部分の検査治療に多くの時間を費やしてきました。
現在はようやく体を動かすことができるようになり、地道なリハビリを続けております。
私としましては、当面の目標を三月場所での土俵への復帰と定めておりますが、医師の指導の下、本人の心身両面での快復状態を見ながら判断していきたいと考えております。
力士は体力、知力、気力のぶつかり合いに堪えうる肉体を宿さなければなりません。そのためには、日ごろの鍛錬が求められます。
己を克服する気持ちが、厳しく過酷な土俵の上では常に必要とされ、技を競うものであります。また、技の前には心の充実を図り、精進すべきものです。精進とは神事の世界観であり、力士である以上、生涯をそれにかける気持ちのことです。
貴ノ岩は未来ある青年であり、力士です。
これから本人に未来を切り拓かせるためには、今回の事件を乗り越え、精神的肉体的な懸念を克服し、後遺症の恐怖にも打ち勝たなければなりません。そのための指導は、惜しむことなくして参ります。
これがご心配をおかけした多くの皆様への御恩に報いる道に繋がると考えております。
これまで皆様方に多大なる励ましのお言葉を頂戴いたしましたことに、厚く御礼を申し上げます。
今後につきましても、温かく見守っていただければ幸いでございます。
以上
平成30年1月17日
貴乃花 光司