平昌オリンピックは16日、フィギュアスケート 男子シングルSPを行い、羽生結弦選手(23=ANA)が登場した。4回転2本を完璧に決め、得点は111.68点の1位と、復活を印象づけた。
曲はショパン『バラード第1番ト短調』。羽生選手がリンク中央に向かうと、会場が大歓声に包まれる。曲が始まり、羽生選手が冒頭の4回転に向けて態勢に入ると、一転、会場も緊張感に包まれ、固唾を呑んで見守る中、飛ぶ前の「フゥーッ」というエッジが氷を蹴る音さえも聞こえるほどシーンと静まり返る。
そんな中、軽々と4回転サルコウを成功させる。会場はためていたものを一気に爆発させる大歓声。ただ、予定では4回転ループだったため、若干のマイナスか(?)。フライングキャメルスピン、足変えのシットスピンでつなぎ、後半のトリプルアクセル、4回転トウループ+トリプルトウループのコンビネーションも成功。特に、トリプルトウループでは両手を上げて着氷。両手を横に広げ、小さくガッツポーズ。
最後は、ステップシークエンス、コンビネーションスピンでまとめてフィニッシュ!あのドヤ顔も復活!!得点は111.68点(技術点63.18点、演技構成点48.50点)で1位。
昨年10月に日本スケート連盟が「右足関節外側靱帯(じんたい)損傷」との診断結果を発表。2ヶ月間滑れず、4ヶ月近く公式戦から遠ざかっている中での演技。ブライアン・オーサーコーチでさえ、羽生選手と抱き合い、「カムバック」「アメージング」と、驚嘆するほどだった。
羽生選手は、「(ものすごい演技でした。ご自身はいかがですか?)特に不満な点もなく、自分自身も疑問に思うエレメンツも何もなく出来たので非常にうれしく思ってます。滑走順だとか、自分のサポートメンバーだとか、応援してくださっているファンの方々、日本の方型を含めて世界中の方々、本当に自分は恵まれているなぁと思いながら、今日滑ることができたので、また明日に向けてやりたいなぁと思っています。
(おっしゃったように、本当にみんなが待っていたと思います。ただ、どうなるんだろうという緊張感もありました。どうして、久しぶりの試合、オリンピックでこんな演技できたんですか?)僕はオリンピック知ってますし。『大きいこと言うな』と、言われるかもしれないんですけど、僕は元、いまは元と言えばいいのかな、元オリンピックチャンピオンなので、やっぱりリベンジしたい。オリンピックチャンピオンと言った後に、リベンジしたいと言うのはおかしいですけど、自分ではフリーのミスが、ここまで4年間頑張って強くなったひとつの原因だと思っているので、明日に向けてリベンジしたいなぁという気持が、とにかく強いです。
(ひとつ聞きたいのが、ショート冒頭の4回転サルコウにするのはいつ決めたんですか?)ここに来る前にサルコウでずっと練習していたので、ちょっと、いろいろ調整が間に合わなかった部分もあったのかなぁと思いますけど、実際、点数とかには満足しているので、サルコウにしてよかったなぁと思っています。
(最後に4年間のフリーへの思いというものがあると思います、明日に向けて一言聞かせてください)とにかくやるべきことはやってきましたし、2ヶ月間滑れなかった間も、とにかく、努力をし続けました。その努力をしっかり結果として出したいなぁと思います」