平昌オリンピックは17日、フィギュアスケート 男子シングルFS(フリースタイル)を行い、羽生結弦選手(23=ANA)が登場した。4回転4本中3本を完璧に決め200点超え。合計317.85点で金メダルを獲得した。
オリンピックでは66年ぶりとなる連覇の偉業を果たした。なお、宇野昌磨選手もフリー200点超え、合計306.90点で銀メダルを獲得。日本にとっては、史上初の金銀でのW表彰台となった。
曲は映画『陰陽師』より『SEIMEI』。まず、冒頭の4回転サルコウをきっちりと決める。続いて4トウループも余裕の着氷。トリプルフリップの安定感バッチリ。ジャンプが決まるたびに、会場は大歓声と拍手に包まれる。
フライングしてからのコンビネーションスピン、ステップシークエンスでつなぎ、後半怒涛の5つのジャンプへ。羽生の体力は持つのか、右足は大丈夫なのか・・・不安に包まれる中、4回転サルコ+トリプルトウループを見事に決める。続く、4回転トウループ+シングルループ+トリプルサルコウは、 4回転で手をついてしまい、コンビネーションにならず。
しかし、すぐにトリプルアクセル+ダブルトウループをトリプルアクセル+シングルループ+トリプルサルコウの3連続に変えて成功させる。単独のトリプルループも飛ぶと、ジャンプ最後のトリプルルッツは体制を崩し、ヒヤッとしたが、手をつかずになんとかこらえる。
最後は、フライングして足変えのシットスピン、コレオステップシークエンス、コンビネーションスピンでフィニッシュ。演技後に苦い顔をする。そして、しばらく右足を触る。これが「痛い」からなのか、「感謝」なのかは、インタビューであきらかに。
続く、ライバルのハビエル・フェルナンデス(スペイン)は、後半の4回転サルコウがダブルサルコウになってしまい、10点マイナスが大きく響き197.66点、合計305.24点で暫定2位。
最終滑走者の宇野昌磨選手(20=トヨタ自動車)も冒頭の4回転ループを転倒するなどして、フリー202.73点。合計306.90の2位となり、羽生選手の金メダルが確定。その瞬間ランキングシート(暫定1位~3位の選手が待機する場所)に板羽生選手は号泣。
羽生選手は、「ありがとうございます。(乗り越えましたねぇ?)なんとか。
(どんなお気持ちですか?)とにかく、たくさんの方々がサポートしてくださって、なんとかこうやって。まず、滑ることが出来たので。この会場で滑ることができてホッとしているのと、自分がやりきれたなと思うぐらいの演技が出来たことがよかったんじゃないかなぁと思います。
(演技直後に「ワーッ」と、吠えた。あそこになんかいろんなものが凝縮されているように見えましたけど?)とにかく、右足が頑張ってくれたなというふうに思いましたし、ケガのことについてでも、ケガのせいで練習できなかったところも含めて、たくさんの方に心配かけたと思います。そういった意味では、今まで以上の強い応援があったと思いますし、サポートがあったと思うので、そういうものにほんとうに恵まれていたなぁと思っています。
(直後に右足を触ってましたよね。あれは痛みですか?それとも・・・)感謝です。感謝の気持ちだけです。
(この姿というのは、平昌に入る前、どのぐらい自分の中でイメージできていたのでしょうか。怖さや不安と戦っていたんじゃないですか?)(演技の)構成が定かではなくて。『構成どうですか?』と、ずっと質問されていたんですけど、自分自身もどういうふうにしたらいいのか、ベストなのかわからなくて、いろいろ悩んでいたんですけど。だからこそちょっとフリーの方は、イメージしづらかったところもあったりして。ただ、最終的に集中して、飛びたかったジャンプは飛べているので、とにかく良かったと思います。
(トリプルルッツよくこらえましたよね?)もう右足に感謝しかないです。
(これで、これからの4年間、またオリンピックチャンピオンになります。みなさんにもぜひメッセージを伝えていただけますか?)ここまでくるのにたくさんの方々に支えられながら生きてきました。スケートだけではなく羽生結弦として、たくさんの方々に育てていただいたことを感謝します。ありがとうございます」