歌手でタレント・美川憲一がPR大使を務めるとともに監修も担当している長崎・南島原市主催の『心浄化旅』プレスツアーが9月下旬に開催。水にまつわる場所となる『山の寺 邑居(やまのてら ゆうきょ)』、内野水源神社、『鮎帰りの滝』を巡った。
有明海と雄大な自然の長崎・南島原は、天草四郎時貞による島原・天草一揆の主戦場となり現在は世界文化遺産にもなっている原城跡をはじめ、有明海でのイルカウォッチングなども楽しめる。今回、美川が大使を務めるにあたって南島原市は“水に流せるまち”をコンセプトに据えており、現地での魅力を味わうことで日頃のわだかまりも南島原で有名な手延そうめんのように水に流し、心を浄化させるような旅を提案するというもの。美川出演の動画も制作されており、その動画でも紹介されている、以下の場所を周った。
・島原手延そうめんを堪能できる『山の寺 邑居(やまのてら ゆうきょ)』
・普賢岳の伏流水が飲める『内野水源』のある内野水源神社
・雄大な滝の流れと美しさに圧倒される『鮎帰りの滝』
・世界文化遺産『原城跡』
・曹洞宗のお寺で坐禅体験ができる『玉峰寺』
・有明海と星空鑑賞が同時に楽しめる『瀬詰崎展望台』(せづめざきてんぼうだい)
・可愛さあふれるイルカたちと間近で触れ合えるイルカウォッチング
・島原手延そうめんや島原バーガーも楽しめる『道の駅 ひまわり』
長崎空港から南東に向け自動車を走らせる。途中、左手にはときどき有明海とその先の対岸にある熊本県の山々の稜線、途中からは右手には普賢岳も見え雄大な景色に心を奪われながら約1時間30分。普賢岳をぐるーっと迂回して、南島原市に入った山の手に『山の寺 邑居(ゆうきょ)』はある。
残暑も厳しい9月下旬ということもあり、山側ながらも、半袖でちょうどよいくらいの暑さ。南島原といえば手延そうめんといわれるほどの特産品だが、同店は南島原市内でも2箇所しかない流しそうめん形式で楽しめる場所として知られている。店前にはミストが発生する装置もあり、雰囲気は満点だ。
つゆとの相性を考えたという松尾製めん工場という製麺所から仕入れた『手延べそうめん』1人前(660円)をいただく。約200グラム、市販のそうめんの1把が約50グラムといわれており、約4把ぶんのそうめんとなり、1人前でもボリュームはかなりのもの。1年寝かせた(場合によっては2年寝かせるという)南島原で作られた茹でそうめんを流水にひたす。カツオ、昆布、雑節を混ぜてとった出汁をベースに、1ヶ月間寝かせて作られたという汁にひたして食べる。茹で時間も、その日の天候によって微調整を加えているというこだわりの茹で麺に、汁がよく絡みツルッと食べ切れる絶品のそうめんだ。
同店の店主・下田直和氏から、食べ方のコツとして、そうめんは3分以内に食べることが、ベストの食感を味わえるという。まさに“賞味期限3分”といったところ。遅くとも5分以内には食べきってほしいとのことだった。ちなみに、流しそうめんに使われている水は、お店近くの湧水をタンクに貯めてオゾン殺菌して使われている水なのだそうだ。
この日は、サイドメニューの『地野菜の天ぷら』(880円)も提供された。1盛り2~3人前あるそうで、日によって具材は変わるそうだが、この日は14種類もの天ぷらがザルの上にてんこ盛りといった様子で提供された。野菜は地野菜なだけあり、甘みや香りが強く、そうめんだけではない、地のものを楽しむことができる。量も多く記者5人がかりで2盛りいただいたが、全員がおなかいっぱいになるほどだった。
おなかも満たされたところで『山の寺 邑居』から車で約15分、南島原市深江町甲の内野水源神社へ。神社内には『内野水源』があり、ここでは古くから飲料水をはじめ生活に根ざした使われ方をしている軟水を楽しむことができる。夕方や休日には順番待ちができるほどなのだそうで、親しまれている水なのだそうだ。
内野水源神社から自動車で約20分、対向車とのすれ違いも難儀する箇所もあるほど細い道を通って『鮎帰りの滝』へ。この滝は、その名の通りかつて滝壺近くまで鮎が帰ってくるほどだったという。雨の翌日などは濁ってしまうそうだが、タイミングが良ければ透明度の高い澄んだ水にあふれる神秘的な光景が広がる。ついつい写真を撮る手が止まらなくなる場所にもなりそうだ。この『鮎帰りの滝』の上部は千畳敷になっており川遊びスポットとしても親しまれている場所となっている。
■山の寺 邑居
営業時間/11:00~14:00
定休日/不定(主に水曜日、7・8 月は無休)
■鮎帰りの滝
場所:長崎県南島原市有家尾上町4664
撮影・文:水華舞