歌手でタレント・美川憲一がPR大使を務めるとともに監修も担当している長崎・南島原市主催の『心浄化旅』プレスツアーが9月下旬に開催。今回の企画の意図を南島原市の職員で総務部の林田俊将氏に話を聞いた。
有明海と雄大な自然の長崎・南島原は、天草四郎時貞による島原・天草一揆の主戦場となり2018年7月からは世界文化遺産にもなっている原城跡をはじめ、有明海でのイルカウォッチングなども楽しめる。今回、美川が大使を務めるにあたって南島原市は“水に流せるまち”をコンセプトに据えており、現地での魅力を味わうことで日頃のわだかまりも南島原で有名な手延そうめんのように水に流し、心を浄化させるような旅を提案している。
美川出演の動画も制作されており、プレスツアーではその動画でも紹介されており、
・島原手延そうめんを堪能できる『山の寺 邑居(やまのてら ゆうきょ)』
・普賢岳の伏流水が飲める『内野水源』のある内野水源神社
・雄大な滝の流れと美しさに圧倒される『鮎帰りの滝』
・世界文化遺産『原城跡』
・曹洞宗のお寺で坐禅体験ができる『玉峰寺』
・有明海と星空鑑賞が同時に楽しめる『瀬詰崎展望台』(せづめざきてんぼうだい)
・可愛さあふれるイルカたちと間近で触れ合えるイルカウォッチング
・島原手延そうめんや島原バーガーも楽しめる『道の駅 ひまわり』
を巡っている。
――美川さんをPR大使に起用された理由は?
林田氏:美川さんは全国的にも知名度と人気がある歌手というのはもちろんのことなのですが、今回のコンセプトが“水に流せるまち”でして、美川さんの名字は“美”しい“川”です。芸能界のご意見番ということでも知られていますので、指南をして頂くということがふさわしいのではないかと思って、起用させて頂いています。
――今回はプレスツアーという形で、一般の方向けのパッケージなどではないと伺っています。ですが、今後そうしたパッケージツアーを企画したりするご予定は?また、今回のプレスツアーのルートの狙いなどはありますか?
林田氏:記者のみなさんに巡って頂いたことやその反響などをふまえて、今後の観光ツアーのメニューのコンテンツを考える参考にさせて頂きたいと思っています。狙いとしては、南島原市は宿泊施設が少ないのでいかに滞在時間を増やしてもらうかということを考えております。そこで、夜間での坐禅体験ができる『玉峰寺』さんや、星空を楽しめる『瀬詰崎展望台』などを取り入れてもらえたらという気持ちもありプレスツアーに組み込ませて頂きました。
――今回、美川さんが巡った場所以外でも候補がいろいろあったと思いますが、その基準や選外になった場所などは?
林田氏:基準としては水に関するスポットであることと、9・10月に巡るということを想定しました。本当は別に紹介したいところもあったんです。たとえば、日本の棚田100選にも選ばれるほど美しい谷水棚田があるのですが、いまは水が張られている時期というより稲刈りの時期なんです。そういった、タイミングによったところもあります。
――南島原市さんの観光向けの施策ですが、過去に満島ひかりさんを起用したユニークな動画(『突撃!南島原情報局【神回】』https://www.youtube.com/watch?v=pk4_jK9ScsE)や最近でもアニメ『邪神ちゃんドロップキックX』(第8話)とのコラボなどでも話題になりました。いつからされているんですか?
林田氏:平成26年度(2014年)から毎年しています。美川さんは今年度夏からPR大使を務めて頂いております。
――施策を続けている狙いは?
林田氏:大きく3つあります。知名度を増やす、観光客を増やす、シビックプライドの醸成です。シビックプライドは、南島原市の市民の方が誇りや愛着を持ってもらえるという部分を主な部分にしています。観光PRという枠では収まらない部分ではありますが、外向きと市民向きと両方を意識しながらと思っております。
――これまでのプロモーションと今回のプロモーションの違いは?
林田氏:いままでは県内のTV局さんに企画提案をお願いしてました。どちらかというと、TV局の番組として取り扱って頂くということが多かったんです。ですが、今年は公募という形で、県内に限らず広く募集をさせて頂きました。結果、電通さんの企画を採用しています。
これまでだと、TV番組やショートフィルムとしての映像を作っての発信でしたが、今回はCMを作りましたが、それプラスでツアーを作ったりグッズの開発を予定してまして、これまでより踏み込んだものになっているのではないかと思っています。
撮影・文:水華舞